宮城県岩沼市の海岸で殺害された女性の遺体が見つかった事件で、女性の体には複数の刺し傷がありそのうちの1つは心臓に達するほど深かったことが分かりました。

 宮城県警宮澤伸育刑事部長「殺人死体遺棄事件と断定し、捜査本部を設置して事案の全容解明に努めることといたしました」

 東日本大震災の後に再整備された岩沼市の海岸で13日午前10時ごろ、女性の遺体が見つかりました。

 亡くなったのは仙台市太白区鹿野の保育士、行仕由佳さん(35)です。行仕さんは仰向けで倒れていて着衣はありましたが所持品は無く、胸に複数の刺し傷がありました。犯人には強い殺意があったのでしょうか。

 鈴木暁人記者「捜査関係者によると、遺体の胸には複数の傷があり心臓に達する傷もあったということです」

 死因は失血死で、現場からは靴が見つかっているほか砂浜や防潮堤には血痕もありました。

 遺体発見現場の目撃者「あの辺に女性の遺体が仰向けになっていた。1メートル半位の所に血痕があった」

 中島秀太記者「すぐに戻る予定だったのでしょうか。ベランダには洗濯物がそのままの状態で残されています」

 行仕さんは、太白区のアパートで小学生の子どもと2人で暮らしていて、事件の直前まで仙台市の保育園で働いていました。

 行仕さんを知る人「背が高いなという感じの人。先週も見たかな。普通に優しい感じの。子どもを連れているのを見た」

 保育園の保護者「優しい先生でニコニコしている。びっくりです。悲しいです。Q.お子さんは先生のことを?大好きです。先生とつけず『ぎょうちゃん』と」

 警察や関係者によりますと、行仕さんは5日に山形市の実家に1泊2日で帰省。そこでは、変わった様子は無くトラブルや悩みの話は無かったといいます。

 その後、太白区のアパートに戻った行仕さんは、12日昼頃に「職場に忘れ物を取りに行く」と子どもに言い残し外出していきました。しかし、数時間経っても帰宅しなかったことから、子どもが実家に電話し家族が行方不明者届を出したということです。

 鈴木暁人記者「捜査員たちは、全員で地面を掘り何かを探しているようです。地面から見つかった物をしきりに確認しています」

 凶器となった刃物は現在も見つかっておらず、警察は、遺体が見つかった現場近くを念入りに調べています。全容解明に向け捜査は続いています。