政府の備蓄米の放出が始まっていますが、米の販売価格の高騰は続いています。

 こうした中、宮城県涌谷町では一足早く極早稲種の稲、おもてなしの田植えが始まりました。

 おもてなしはひとめぼれが突然変異した極早稲種の稲で、ひとめぼれよりも約3週間早く収穫することができます。

 涌谷町吉住の黒沢重雄さんの田んぼでは、3月6日に種まきをして17センチにほどに育ったおもてなしの苗を田植え機で植えていきました。

 2025年は種まき後に天気に恵まれたため、苗は順調に育ったということです。

 黒沢重雄さん「天候に恵まれれば良い米ができますので、収穫の秋を楽しみにしてほしいと思います」

 令和の米騒動とも呼ばれる米の高騰が続く中、田植えが始まりました。

 備蓄米の放出について黒沢重雄さんは「遅かったですね、出すのが。放出するのならもっと早くやれば、こんな騒ぎは無かったですよ。生産者はあんなに高い値段は求めてませんから」

 おもてなしの田植えは、このあとゴールデンウィークにかけて行われます。7ヘクタールを作付けし、8月中旬には稲刈りができる予定です。

 米の高騰が続いてます。農林水産省は、全国のスーパー約1000店での米の平均価格を調べて1週間ごとに公表しています。

 2024年3月31日から4月6日までの1週間では、5キロ当たりの価格は2068円でした。

 米といえば、1袋2000円前後というイメージが強かったのではないでしょうか。14日に発表された最新の結果では、14週連続の値上がりで5キロ当たりの価格は4214円となりました。1年前から2147円の上昇、2倍以上にまでなってしまいました。

 価格の高騰を受けて政府はこれまでに、2回にわたって備蓄米を放出しました。1回目の落札分は、3月下旬から店頭に並び始めています。

 江藤農水大臣は本格的に並び出すのは4月10日ごろと話し、価格を下げる効果が出るには少し時間がかかるとしています。

 政府は、夏まで毎月備蓄米を放出することにしていて、4月末にも3回目となる備蓄米の放出が予定され効果が出てくるのか注目されます。