旬を迎えた「春しらす」。鎌倉の外国人観光客を魅了する、その訳を追いました。

■「春しらす」シーズン到来!

 マグロの中トロに並び、光輝いているのは22日朝に水揚げされたばかりの新鮮な生しらすです。

鮪お重 栄町 岡部正明さん 「生しらすは賞味期限が半日。海が近い鎌倉というところで、とれたてを使用している」

 取れたての旬の味覚に外国人観光客たちが舌鼓。

 日本でしか味わえない新鮮な春しらすに魅了される外国人客たちが相次いでいます。

 豪快な食べっぷりを古都・鎌倉でウォッチングしました。

 相模湾の海沿いを走る江ノ電。江の島を望む、風光明媚(めいび)な湘南海岸。人気の観光地・鎌倉を含む湘南エリアではこの時期、春しらすのシーズンが到来。

 先月からしらす漁が解禁され、例年、春は4月から5月に最盛期を迎えます。

 鎌倉駅前の商店街「小町通り」には、春の「湘南しらす」を求めて国内外から多くの観光客が押し寄せています。

■鎌倉の外国人客を魅了 なぜ

 今が旬の春しらす。外国人客を魅了する訳は…。

 鎌倉ではこの時期、多くの店で様々な春しらす料理を味わえます。

 しらすを炒めたチャーハンに、焼き餃子の中にもシラスが。中華料理店では、しらすメニューが目白押し。

 中華だけでなく、湘南で取れた生のしらすにイクラとウニを乗せた丼も人気です。

 生しらす丼を仲良く食べるのはイギリスから来た姉妹。母国で揚げたしらすは食べたことがあるといいますが…。

イギリスから来たビアンカさん(26) 「ファーストタイム」

 生しらすは初挑戦。姉のビアンカさんは…。

イギリスから来たビアンカさん 「ベリーグッド。甘くておいしい」

 妹のダニカさんも感激。

イギリスから来たダニカさん(23) 「OK、ベリーグッド」

イギリスから来たビアンカさん 「生魚が大好きだからしらすを試してみようと思った。イギリスでは食べられない。揚げたのはあるがもっと大きい。ウニはクリーミーでかみごたえがあるしらすと混ざり、温かいご飯が包むような感じ。すごくおいしい」

 オーストラリアからの家族。富士山など日本の自然や観光名所を楽しんだ後に古都・鎌倉へ。

オーストラリアから来たサラさん(42) 「正直に言うとしらすは怖い」

オーストラリアから来たポールさん(51) 「でも挑戦するよ」

 お母さんが頼んだのは、うなぎとしらすの丼です。今まで食べたことがなかったというしらすを勇気を出して初体験。

オーストラリアから来たサラさん 「悪くないわ。嘘じゃないわよ」 「(Q.おいしい?)おいしいわ」

 バクバクとしらすを頬張るお母さんの姿を見て、娘も箸を伸ばします。

オーストラリアから来たクロエさん(14) 「本当においしいわ」

 普段は魚を食べないというお父さんも気になってパクリ。

オーストラリアから来たポールさん 「魚っぽくない。おいしい。好きな味」

 外国人客は、母国ではなかなか味わえない日本の新鮮なしらすに新たな魅力を感じているようです。

オーストラリアから来たサラさん 「オーストラリアでは食べられないものだから日本にいる間は地元の人と同じことを体験したい。それがしらす」

 湘南しらすを使ったホカホカグルメも人気です。

 中にぎっしりとしらすがつまった玉子焼き。釜ゆでしらすをたっぷりと投入します。ふんわりと仕上げた熱々の玉子焼きにイギリス人と中国人の2人組が興味津々。

イギリスから来た人 「彼女は私の恋人です」

 イギリス人男性の恋人だという中国人女性がぱくり。

イギリスから来た人 「SNSでおすすめされていたんです。しらすはおいしいです」

 熱したチーズをトッピングして、味わうこともできます。

 さらに、いなりの上にごはんとしらすを乗せて棒状に巻いた、いなりのしらす巻きも外国人客に好評。

アメリカから来たデボラさん(54) 「これはイワシの稚魚ね」

 アメリカのデボラさんがしらすに初挑戦。

アメリカから来たデボラさん 「おいしい。思っていたのと違うわ。魚っぽくない。塩味でちょっとカリカリしている。いなりは甘みがあっておいしい。神社を観光しに来たけど、あらゆる場所でしらすの看板を見て試してみたいと思った」

 しらすといなりの組み合わせが気に入ったようです。

アメリカから来たデボラさん 「おいしい。試してみないと」

 しらすのおいしさに魅了される外国人観光客がますます増えていきそうです。