25日からくじら漁が本格的にスタートします。「鯨の王様」と呼ばれるナガスクジラの捕獲を目指します。
去年、およそ80億円かけて作られた捕鯨母船「関鯨丸」は、21日に山口県下関を出発して1000キロ以上離れたオホーツク海を目指します。
「関鯨丸」は全長112.6メートル、重さは9299トンの大型船で、最大70トンのくじらを引き揚げることができます。
なんと、船内ではインターネットを使用することができ、船員には個室が用意されています。
くじらはおよそ100種類いて、「関鯨丸」では4種類のくじらを捕獲します。
そのうちの、ナガスクジラは北太平洋での生息数が増えたことなどから、去年、新たに捕獲可能となりました。食肉を目的とした捕鯨としておよそ半世紀ぶりの捕獲になります。
このナガスクジラは“鯨の王様”と呼ばれるほどおいしく、特に「尾の身」と呼ばれる部位は漫画「美味しんぼ」で海原雄山が「至高の刺身」と絶賛したことでも有名です。
「関鯨丸」を所有する共同船舶株式会社には今年9人が新たに入社しました。
共同船舶株式会社 新入社員 三輪尚稜さん 「より多くの人に(くじらのおいしさを)知ってもらいたいという気持ちもあり、そこから捕鯨船員を目指すようになりました」
共同船舶株式会社 新入社員 土屋海汐さん 「キャッチーでウィットな船員になれるように頑張っていきたいと思います」
共同船舶株式会社 所英樹社長 「適度にクジラを間引いて、海の生態系のバランスを保ってあげないといけない。生態系のバランスを保つことによって、豊かな海を守る。これが捕鯨の本当の意味なんです」
関係者や船員の家族が見守るなか21日、「関鯨丸」は2年目の出漁の時を迎えました。
共同船舶株式会社 恒川雅臣船団長 「今年初めてフルスケールでナガスクジラの捕獲ができますので、捕獲枠最大限利用できるよう頑張ってまいります」
25日からオホーツク海での本格的な捕獲を行い、6月には仙台で水揚げする予定です。
また、共同船舶によりますと、関鯨丸の船団は25日早朝、北海道知床半島北方80キロ付近で体長18.56メートル、体重36.6トンの雄のナガスクジラの捕獲に成功したということです。