宮城県山元町の宮城病院では、今も一部の診療に制限が出ています。

 当初、改修工事を2022年度中に終える予定でしたが、建物の被害が大きく2023年度にずれ込む可能性が出てきています。

 山元町唯一の総合病院、宮城病院です。14の診療科のうち、脳神経外科や救急外来など6つの診療科が入っていた病棟は、壁の崩落や柱の破損など被害が大きく、使用禁止になっているため、被害の少なかった病棟に場所を移して診療を継続しています。

 患者の付添人「私も15日に来て、向こう(の病棟が)使えないって初めて知って、そんななかでも場所変えてやってくれてたんで、助かります、本当に」

 患者「12年ぐらい通ってますね。脳梗塞でね。こういったもの、ないと困るんじゃないですかね」

 福島県からも患者が通院する県南地域の医療拠点ですが、地震から1カ月経った今も厳しい状況に変わりはありません。

 内視鏡検査を行う施設は壁に亀裂が確認されたため、患者は他の病院で検査してもらう必要があります。

 救急外来は他の診療科の空いている部屋を借り、何とか受け入れていますが、普段の6割ほどにとどまっています。

 宮城病院永野功院長「特に外来部門が使えないと患者さんに非常にご迷惑をかけるし、地域医療を担っている病院としては非常にまずいわけですから」

 宮城病院では、今回の被害額を5億円と推定していましたが、新たに天井裏で柱や壁の破損などが見つかり8億円以上に増えるとみられています。

 そのため、改修工事は当初、2022年度中に終わるとみられていましたが、2023年度にずれ込む可能性が出てきています。

 宮城病院永野功院長「場合によってはまだ決まっておりませんけど、仮設的な建物をこの建物の北側の方に建てたりして、そこで外来部門、脳外科や、今使えなくなった部分の外来部門をそこに移してやろうかということも今考えてますけど」