仙台枝豆のおいしさに放射光で迫ります。東北大学などの研究グループが、枝豆の内部を細かく可視化することに成功しました。

 この研究は、次世代放射光施設が仙台市に完成した際に活用のメリットを感じてもらうためのトライアル事業として実施されました。

 今回は、兵庫県にある放射光施設で撮影を行いました。

 放射光施設は巨大な顕微鏡と呼ばれ、物質の構造をナノレベルまで立体的に観察できます。

 枝豆の実を密度に合わせて着色したものです。左が生のもの、右が茹で時間6分のもので、茹でた方は水分が侵入して密度が低くなっているのが分かります。

 刺したり潰したりせずに食品の密度を分析できた事例は、世界に類が無いということです。

 東北大学大学院農学研究科日高将文助教「枝豆の中に含まれる小さな粒子のその分布が、どういうふうに変わっているのかというのも調べたりしていて、小さな粒子の変化というのが歯ごたえや歯ざわりにどう関わってくるだろうというところを見ようとしているんです」

 研究グループでは、可視化した密度と実際の固さや味の感じ方との相関関係を紐づける分析を進め、行く行くは「おいしさ」を数値化し、仙台枝豆の販路拡大につなげたい考えです。

 東北大学大学院農学研究科日高将文助教「スイカの糖度がどれくらいですって書かれたりすると思うんですけど、あれと同じでこの枝豆のパラメータはこうですみたいな形で展開することができれば、選ぶ方としても自分の好みのものが選べるようになるのかなと考えています」