参院選宮城選挙区の争点。震災復興や原発政策に対する各候補者の考えをお伝えします。
まず震災復興についてです。東日本大震災から11年が過ぎた今、各候補者は「被災地の復旧・復興ができたと思うか?」という質問にこのように答えています。
「どちらかといえば思う」と答えたのが、自民党の桜井充候補と日本維新の会の平井みどり候補、「どちらともいえない」と答えたのがローレンス綾子候補と中江友哉候補、「どちらかといえば思わない」と小畑仁子候補は答えています。
それぞれの理由について「どちらかといえば思う」と答えた桜井候補は「インフラ整備を中心とする復旧・復興はよく進んだ。他方、ソフト面は課題が山積している。今後は経験を伝えることが大切だ」と回答しています。
平井みどり候補は「三陸沿岸道路の完成などインフラの復興は一区切りついたが、福島県内の帰還困難区域では除染が手つかずなど環境の整備状況は万全ではない」などと答えました。
一方、「どちらかといえば思わない」と答えた小畑候補は「道路や施設の復旧などハード面が進んだ。一方で人口減少や不登校、孤独死の防止など心のケアのほか長期の課題が残る」と答えました。
「どちらともいえない」と答えたローレンス綾子候補は「全体的に進んだが防潮堤など住民の声が十分に反映されないまま工事が進んでしまったことは残念に思う」と理由を答えました。
中江友哉候補からは理由の回答がありませんでした。
次に原発政策についてです。宮城県内では東北電力女川原発2号機の再稼働に向けた地元同意の手続きが終わり、東北電力は「再来年の2024年2月に再稼働を目指す」と明らかにしています
。一方、11年前に事故を起こした東京電力福島第一原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含んだ処理水について、政府は2023年春から薄めて海に流す方針です。
海洋放出への賛否について各候補者の考えをまとめました。
「賛成」と答えたのは中江候補、「どちらかといえば賛成」と答えたのは桜井候補と平井候補、「どちらかといえば反対」と答えたのは小畑候補、「どちらともいえない」としたのはローレンス候補でした。
政府は、海洋放出した際に水産物の価格下落など影響が出たときに備え、冷凍保存や販路拡大を支援する基金を作る方針です。
この対策が十分かどうか各候補者に聞きました。
桜井充候補「どの程度の被害があるかを見ていかないといけないと思う。マイナスなことだけやるだけではなくて、むしろ陸上養殖などを進めるために補助金を出すとか新しい漁業のためにお金をもっともっと出していったほうが良いんじゃないかと思っています」
小畑仁子候補「風評被害がないということは絶対ないので、風評被害や損害等のあった時の補償がどの程度つくのかとか、補償の対策ですね、どういう風にやっていくのかということを決めない段階で、もう流すというのは反対なので」
平井みどり候補「国がしっかり風評対策。もしかして全然問題なくて安全かもしれないのに、噂ですよね、それをどうやって止めていくか。いかに説得して皆さんに納得していただくかということを国が真剣にやらなければ私は解決しないと思います」
ローレンス綾子候補「食の安全性を提示できるような仕組みを作る、これが一番いいと思います。だから、お金を払ったからいいでしょ、という形の支援であったら、それでは足りないなと思います」
中江さんにも取材で質問しましたが、お答えはありませんでした。
候補者へのアンケートの詳しい内容は、6日と7日の朝日新聞宮城県版に掲載されています。