10月29日に栃木県で開かれた全国障害者スポーツ大会に仙台市の代表として出場した、男性スイマーです。目標はメダル獲得です。
全国障害者スポーツ大会を1カ月後に控えたこの日。仙台市内のプールには、橋上一歩さん(32)の姿がありました。
生後10カ月の時に髄膜炎を発症し、脳に障害が残った橋上さん。
6歳から水泳を始め、高校生の時にはベルギーで開催された世界選手権に出場するなど活躍してきました。
30代になり、体力的な課題に加えコロナ禍で練習が十分にできない時期もありましたが、3年ぶりに大会に出場できる喜びを原動力に練習を重ねてきました。
橋上一歩さん「仙台市を背負って恥をかかないように。最後まで終わって仙台に帰れるようにしたいです」
大会当日。
橋上一歩さん「気持ちを一本一本集中して、自分の納得できる泳ぎをできるようにしたいなと思います」
仙台市から家族も応援に駆け付けました。 母親・美穂さん「楽しく泳いで彼らしく頑張ってくれたら良いのかなと思ってます」
橋上さんが出場するのは、25メートル自由形とバタフライ。ライバルは、20歳から35歳までの選手です。
まずは25メートル自由形。目標タイムは13秒台です。
あっという間の25メートル。家族も懸命に応援しますが、結果は4位。6人中2人が11秒台の大会新記録を出すハイレベルなレース。惜しくもメダルは逃しましたが、タイムは13秒99と目標の13秒台です。
母親・美穂さん「練習で出ましたか、あのタイム」
コーチ「出てないです。だから良かったなと思って。練習では14秒が精一杯でしたからね」
母親・美穂さん「頑張ったよ」
その後挑んだ25メートルバタフライは、目標の15秒台に対し、タイムは15秒95。しかし、7人中7位で、全国のレベルの高さを目の当たりにしました。
母親・美穂さん「どうだった?」
橋上一歩「う〜ん、みんな速かったからしょうがない」
母親・美穂さん「みんな速かったか。でも頑張ったね」
橋上一歩さん「うん、悔いなし」
母親・美穂さん「悔いなし?悔いない?」 橋上一歩さん「精一杯出し切れたから」
メダルには届かなかったものの、今持てる力を全て出し切った橋上さん。
悔しさをバネに、これからも挑戦を続けます。
橋上一歩さん「正直、悔しい部分はあるけれど、まだまだ足りない部分がたくさんあるので、また大会出られるように、またリベンジしたいなと思います」