福島第一原発にたまり続ける処理水を海に放出する時期について、政府は「2023年の春から夏ごろまで」と新たな見通しを示しました。これを受け、村井宮城県知事は出来るだけ早く関係者を集め国へ要望する風評被害対策をまとめたいとしています。
松野官房長官「具体的な放出の時期は、2023年春から夏ごろと見込んでいます」
処理水の放出時期をめぐって、政府は2021年4月に放出の方針を決定した際「2年程度先をめど」としていました。
期間が絞られたことについて、経済産業省の担当者は「工事の進捗状況や規制委員会の検査などを経て、具体化しただけだ」と説明しています。
一方、風評被害への対策として300億円の基金を設けていますが、新たに漁業者への支援に500億円の基金を創設する計画も正式に決まりました。
これを受け、村井知事は次のように話しました。
村井知事「春から夏にかけて放出することについては、やむを得ないものだと思います。500億円程度の基金を創設したということで、海洋放出する前から当然風評被害は出るわけであり、対策をしっかり取っていただけるよう県が窓口になって交渉してまいりたい」
村井知事は、海洋放出の前から風評被害は起こるとの認識を示し、できるだけ早く関係者を集め会議を開き国へ要望する風評被害対策をまとめたいとしています。