宮城県気仙沼市唐桑にある民宿を舞台にしたドキュメンタリー映画が、24日から公開されます。

 映画の舞台は、気仙沼市唐桑にある民宿「唐桑御殿つなかん」。カキの養殖業を営む夫婦が東日本大震災の津波で被災した自宅を直し、学生ボランティアを受け入れた拠点です。

 町の復興が進む2013年には、ボランティアの拠点は民宿に生まれ変わりました。

 「つなかん」をきっかけに唐桑に移住し、家族を持ち地域を担う立場になっていく人々も。

 映画は「つなかん」の10年を取材した記録。海難事故の悲劇、コロナ禍による民宿存続の危機。様々な苦難を乗り越えながら、前に進む姿を、民宿で生まれた人との交流を通して描いています。

 作品の語りは、俳優の渡辺謙さんが務めます。

 公開に先立って、気仙沼市で試写会が開催されました。

 「つながりですよね。つながりが人を育てたり元気にしたりするなとすごく感じる」「本当に感動しました。また見たいと思います」

 風間研一監督「取材した民宿の「唐桑御殿つなかん」の女将、菅野一代さんは、この10年間で東日本大震災、海難事故、そしてコロナ禍と経験をしてきました。一代さんは、よく義理のお父様から言われた、与えられた運命を愛せよという言葉を話しているのですが、まさに自分の身に起きた全てのことを受け入れてきたんですね。取材を始めてから10年後の一代さんの姿を見ていただけると、どんな変化があったのか分かると思います」

 語り・俳優渡辺謙さん「2011年以降、気仙沼には回数が分からないくらい通っているので、本当によく知った人たち、よく見た風景。いろんなものがこの画面を通して自分の中でもいろんな思いが出てくる作品。一代さんが今まで、これから生きていく色んな道はたくさんの方々に共鳴するんじゃないかなと思っています」

 公開は24日からで、宮城県ではフォーラム仙台で上映されます。