日銀仙台支店は3月の東北の景気について「一部に弱さがみられるものの、緩やかに持ち直している」と発表しました。11カ月ぶりに引き下げた2月の判断を据え置きました。

 日銀仙台支店竹内淳支店長「基本的な姿としては、外需の減速が輸出・生産の足踏みをもたらしている。一方で、内需はコロナ感染が落ち着く下で個人消費を中心にしっかりとした印象」

 日銀仙台支店の竹内淳支店長はこのように述べ、物価の上昇にもかかわらず新型コロナウイルスの影響が和らぐ中、個人消費は持ちこたえているとの見方を示しました。

 小売業の販売額をみるとスーパーでは底堅く推移しており、百貨店やコンビニでは来店客数の増加に伴い、持ち直しています。

 更に飲食業や宿泊業などでも持ち直しの動きが進んでいて、全国旅行支援の夏までの延長や新型コロナの5類への引き下げが追い風になるとみています。

 今後について竹内支店長は、賃上げの中小企業への広がりがポイントになると指摘しています。

 日銀仙台支店竹内淳支店長「(不調な)外需と(堅調な)内需の綱引きという状況。この綱引きの結果、景気が失速しないで踏みとどまるためには賃金がしっかり上昇するかどうかがカギを握ると思う」