宮城県大崎市の病院で集団発生した、レジオネラ症についてです。レジオネラ症はどのように感染するのでしょうか。専門家に注意すべきポイントなどを聞きました。

 6月から7月にかけて大崎市の永仁会病院を利用していた患者6人が、相次いでレジオネラ症に感染しました。このうち80代男性が肺炎を発症し、死亡しました。

 原因となったレジオネラ菌は、どのように感染するのでしょうか。感染症に詳しい東北医科薬科大学の藤村茂教授に聞きました。

 藤村茂教授「基本的には気道感染だけなので、どこかにレセプター(菌の受容体)はあると思うんですけれども、主に肺の中、深部に入っていって感染することになる。治療法は確立されているので、早く発見されれば比較的ちゃんと治るんです。ただ重症化はするので、即入院してすぐ治療しなければならない。特にレジオネラは感染してから一気に重症化する特徴がありますので、そういう意味でとても怖い菌」

 大崎保健所の調査では、空調設備の冷却水が入った水槽に藻が生えているのが確認されたほか、冷却水からは基準の97万倍のレジオネラ菌が検出されました。

 藤村茂教授「掃除だけではなく機器のメンテをしっかりとしていないと、一度汚染が始まるとどんどんどんどん増殖を始めていくので、そのくらいの数字になるんですね。私もその数字はちょっと聞いたことがないです」

 今回は病院という公共施設での感染でしたが、各家庭ではどういった注意が必要なのでしょうか。

 藤村茂教授「ご家庭とかのレベルですと注意しなければないのは、各家庭にある循環式の浴槽。追い炊きするような形で何日も同じお湯を使いまわしたりすると、ちょっとそういった菌が入ってしまうとその中で増殖してしまう」

 レジオネラ菌は浴槽や浴室の壁などに付いたぬめりで増えるため、洗剤などで洗って取り除く必要があるということです。