能登半島地震は、原子力防災にも課題を突き付けています。女川原発が立地する地域の住民は、道路が寸断された場合の避難対応に不安を抱えています。
宮城県は20日、女川原発2号機から放射性物質が外部に漏れた重大事故を想定した防災訓練を行いました。
訓練には女川原発の30キロ圏内にある7つの市と町の住民約160人が参加しました。
登米市に30キロ圏外に出る際に通る検査所が設けられ、県が2023年9月に運用を始めた避難支援アプリが活用されました。
アプリを使った場合、現地でQRコードを読み込むだけで検査済み証が発行され、向かうべき避難所が通知されます。
県原子力安全対策課今野達矢総括課長補佐「避難時の割り付けを行っていた避難所受付ステーションというところに立ち寄らなくても済むようになりますので、避難時間の短縮が図れる」
女川町から約30人が避難した栗原市の避難所では、アプリで受け付けをする手順の確認や、避難者がアプリを使って必要な支援物資を選択する実証訓練が行われました。
参加者は、アプリを使ったことでスムーズに避難所に入れたと評価する一方、能登半島地震のように道路が寸断した場合の避難に不安が残る、ということです。
女川町民「万が一発生した場合、ここまでたどり着くのか分からない。女川原発の防災は壁も高くしているが、地震はそれ以上で来る可能性もある」
県原子力安全対策課横田浩志課長「(国は)原子力災害時の避難について検証すると言っていますので、その検証結果を待って女川地区の緊急時対応を見直し、更に改善を進めていきたいと考えております」
東北電力は、女川原発2号機の再稼働を5月ごろとしていましたが、安全対策工事の遅れにより数カ月遅れると発表しています。