能登半島地震で被害を受けた石川県の2つの高校が仙台育英高校硬式野球部に招かれ、27日から宮城県を訪れています。27日夜は、須江監督や育英ナインらの自宅にホームステイして交流を深めました。
ホームステイ先の1つ、須江監督の自宅には珠洲市の飯田高校の選手4人と、仙台育英の部員で石川県出身の徳田選手が滞在しました。
ハンバーグや豚汁といった温かい料理が振舞われ、飯田高校の選手たちは被災し疲れた心が癒やされている様子でした。
飯田高校米沢理玖選手「めっちゃうまいっす」
石川県の高校招待を企画した須江監督は、東日本大震災当時に監督を務めていた系列の秀光中学校の野球部員と共に石川県に招かれ、支援を受けました。
仙台育英須江航監督「(招待された当時)温かいものを初めて食べたとか、初めてお風呂に入った子がいましたね。人生でつながりができて、どこかであの時のあいつだってなればいい」
今回は、東日本大震災の時に受けた支援の恩返しです。グラウンドが地割れするなどした高校に練習場所を提供したいと、宮城県に招待しました。
招待された選手たちは、大変な時に宮城県に行っていいのかという葛藤を抱えていたということですが、須江監督や仙台育英の選手との交流を通じ少しずつ笑顔が見られるようになりました。
飯田高校梶遥登選手「地震があって結構気が病む時もあるけど、野球をみんなでやったらちょっと忘れさせてくれる。色々な人の支えがあって、野球ができるんやなって改めて実感できてますね」
ホームステイから一夜明けた28日、午前中に輪島対仙台育英、午後は飯田対仙台育英の練習試合が行われました。
2校とも敗れはしましたが、飯田高校は善戦しました。
2022年の夏の甲子園覇者、2023年も準優勝した強豪チームとの対戦を噛みしめるように、仲間に声援を送り盛り立てながら野球を楽しんでいました。
輪島高校二木悠太郎選手「久しぶりなので、楽しんでやってました。本当にこうやってありがたいことさせてもらってるので、もし(他の地域で災害が)あったら恩返ししたいなと思います」
グラウンドの隣では、仙台育英ナインの保護者らが炊き出しを行い、ホームステイ先が一緒のメンバーを中心に更に交流を深めていました。
2校の生徒は29日に仙台育英と合同練習を行い、午後に石川に向けて出発するということです。