老朽化のため解体された復元船、サン・ファン・バウティスタ号が4分の1サイズで復活し設置作業が行われました。

 宮城県石巻市の慶長使節船ミュージアムサン・ファン館に、2代目の復元船が搬入されました。

 サン・ファン号は、伊達政宗の命を受け支倉常長らがローマなどに渡った際に太平洋の横断に使った船です。

 1993年に原寸大で復元されましたが、長年の係留で船体の損傷が進み2022年に解体されました。

 解体前には今後の展示のあり方が協議されましたが、予算や耐久性の問題から原寸大での復元は断念し、素材も木からFRP=繊維強化プラスチックとなりました。

 全長は14.2メートルの4分の1サイズで、復元船の制作や新たな展示などにかかる総事業費は約19億円を見込んでいます。

 船体は船首と船尾の2つのパーツに分割して運び込まれ、クレーンを使って慎重に据え付け作業が行われました。

 サン・ファン館企画広報課髙橋正法課長「準備を進めていますが、リニューアルオープンに向けて着実に進む節目を迎えて感慨深く思っております。FRP製ですが、木造船としての質感や色が再現されていて、大変見応えのある船になっている」

 復元船はマストなどを取り付けて5月末までに完成し、サン・ファン館は秋ごろにリニューアルオープンする予定です。