旧日本軍の戦闘機が鹿児島県沖の海に沈んでいます。戦後80年の今年、引き揚げに向けて水中調査が行われ、詳細が明らかになりました。

 鹿児島県阿久根市沖の海面にうっすらと見える機体。旧日本軍“最強”と言われた戦闘機が眠っています。

 近付くと見えてくるのはエンジン。そして、翼に取り付けられた特徴的な機銃です。

 「紫電改」は零戦の性能をも上回り、太平洋戦争末期、米軍機と互角に渡り合ったといいます。

 引き揚げを計画している市民団体が専門家を招き、海底で調査を行いました。

 映像を元にCGで全体を再現すると、まだ機体の大部分が残っていることが分かりました。

 このCGを模型と比較してみます。

 コックピットは原型をとどめていませんが、操縦桿(そうじゅうかん)とみられるパーツが残っていることが確認できます。

 この紫電改は1945年4月、本土に襲来した19機のB29に対し、たった1機で交戦。1機を撃墜した後、海岸近くに不時着したとみられています。

 搭乗していた林喜重大尉は亡くなりました。

紫電改・林大尉機を引き揚げる会 肥本英輔代表 「全くの無謀な戦いではありますが、当時の日本軍の状況では致し方ない。機体を話のきっかけにして子どもたちが見ることによって、昔こういうことがあったという話ができるようにしてほしい。一番怖いのは悲惨な現象を見ていると戦争に慣れて、感じなくなる。絶対、戦争状態に慣れてはいけない」