新型コロナの感染症法上の扱いが5類に移行してから8日で1年です。コロナ禍で様々な対策が取られた学校や高齢者施設です。
仙台市青葉区の上杉山通小学校では、5類移行後にマスク着用の推奨をやめました。
1年が経過して低学年ではほとんどが、高学年では半分ほどがマスクを外して授業に臨んでいます。
児童「世界が広がったというか、息苦しくなりました。友達の本当の顔を見られるし、新しい友達を知ったような気持ちになります」
一方、マスクを着け続けている児童もいます。
児童「5類に移行されたからといって、全部無くなったわけではないから心配だから一応しています」
鈴木奏斗アナウンサー「給食の時間になりました。コロナ禍では黙食を徹底していましたが、今は周りの友達と話しながら食べることができます。にぎやかな様子が戻っています」
給食では、児童の交流を増やそうと黙食を廃止しましたが、感染対策として前を向いて食べる形式を続けています。
児童「話さずに食べていると楽しく食べられない感じがする」「面白い話題を聞けるので面白いです。大事だと思います」
コロナ禍を経験し定着したこともあります。情報端末やクラウドを活用した授業を積極的に導入し、授業や家庭学習などで1日5回ほど使っていてICT化が進みました。
佐々木美羽教諭「もしコロナのような感染症が流行った時は、今の子どもたちは1人1台端末を持っているので、在宅していてもつながることができるように、今のうちからICTを活用して対応できるようにしていきたいと思います」
宮城県東松島市の高齢者施設やもと赤井の里です。高齢者施設でもコロナ前の日常が戻った一方で、感染予防や経営面の新たな課題も生まれています。
新型コロナが5類に移行してから1家族2人まで最大15分としていた家族との面会制限を緩和し、外出も勧めています。
地域の住民や子どもたちを招いてイベントを開くなど、交流の機会が戻ってきたことが一番の変化だと言います。
やもと赤井の里土井孝博施設長「表情が全く違いますね。笑顔ももちろん増えますし生き生きとした様子になれますので、人と会うことってすごく大事なんだなということを改めて実感しています」
ただ、世の中が開放的になったことで感染が広まりやすくなった一面もあると言います。
5類移行前は施設でクラスターの発生はありませんでしたが、この1年間に利用者と職員計20人以上が集団感染したこともありました。
利用者の療養費やマスクの購入代などの経費に対する補助金や検査キットの配布が3月で終了したことで、今後、感染者への対応は全て施設で賄っていかなくてはなりません。 やもと赤井の里土井孝博施設長「むしろ感染予防の面、もしくは発生した後の運営など経営に関しての影響は自助努力でやっていかざるを得ない状況なので、そこはこれから懸念される状況かなと思っております」
定期的な換気や消毒など感染対策を続けながらも、利用者が日常生活を楽しめるよう支援していきたいと話します。
やもと赤井の里土井孝博施設長「正しく感染を恐れ、できる限りの予防に努めながらも様々な活動、歩みを止めないということを一番に大切にしていきたいなと思っています」