宮城県内の報道機関で働く記者らが災害報道の役割について考える勉強会が11日、仙台市太白区で開かれました。
太白区のkhb本社ぐりりホールで開かれた勉強会には、県内の新聞社や放送局などで働く記者や大学教授などおよそ60人が参加しました。
勉強会では、東日本大震災で被災し、現在は語り部として活動する石巻市の阿部任さんが講演しました。
阿部さんは津波で流された自宅から祖母とともに9日後に救出され、大きく報道されました。
3.11メモリアルネットワーク・阿部任さん「自分は避難をしなかった、正しい行動すら取れていない自分が『奇跡』と報道されていることに対して、すごく自分自身が恥ずかしかったし、ヒーローみたいな扱いは重かった」
阿部さんは、美談を探すような取材姿勢に違和感を感じたと話し、今後の防災に役立つような報道を求めました。
このほか、震災直後から気仙沼で取材を続けるkhbのカメラマンなども経験や教訓などを話しました。
この後、登壇者らによるディスカッションが行われ、「報道する目的を取材前に明確にすることが大切」「無理をせず時間をかけて継続的に取材する必要がある」などの意見が出ました。