自民党の派閥の政治資金を巡る事件で安倍派の会計責任者が被告人質問で、「会長のゴーサインで還流作業を始めた」と述べました。東京地裁前から報告です。

 (社会部・岩下耀司記者報告)  安倍派の内情を知る松本被告は険しい表情で入廷し、弁護側からの質問にはっきりとした口調で答えました。

 自民党の安倍派で会計責任者を務めた松本淳一郎被告(76)は、政治資金パーティーの収入およそ6億7000万円について、収支報告書に嘘の記載をした政治資金規正法違反の罪に問われています。

 18日の裁判で松本被告は弁護側の被告人質問に対して、2020年当時の話として「会長と相談したうえで会長のゴーサインで還流作業を始めた」と答えました。

 その後、「安倍会長からやり方に問題があると指摘され、当時の幹部を集めてやめることになった」と述べました。

 しかし、議員からの要望を受けて「幹部で話し合いをし、還流再開を決めた。私の独断ではできない」と証言しました。

 裁判は18日午前閉廷し、来月9日に検察側の被告人質問が行われる予定です。