天皇皇后両陛下は28日、お二人がともに留学したオックスフォードを訪問されます。同じ時期に留学生活を共にしたご学友が当時の思い出を語りました。

日本銀行 審議委員 高田創さん 「85年の冬にパブに行きましてね、オックスフォードの郊外なんですけど。そこで初めてお会いしたのがとても印象的でしたね。すごく丁寧なご対応をして下さったということと、非常に表裏がないというか」

 こう話すのは約40年前、陛下と同じ時期に留学していた高田さん。

 陛下はパブでウィスキーを飲まれながら当時、学んでいたイギリスの交通史から日本の芸能界の話まで高田さんとの会話を楽しまれていたということです。

日本銀行 審議委員 高田創さん 「(お酒を)たしなむというか、そういうのをお好きでいらっしゃるんだろうなというふうには感じましたね。実は最初にパブで会った時に私、ひげ生やしてたんですね。(次に)テニスコートでお会いした時はひげをそっていたんですね。そしたら『高田さん、ひげをそったんですね』と言われまして、こっちはびっくりしましてね」

 高田さんは陛下が名前を覚えていてくれたことや、お気遣いぶりに感激したということです。

日本銀行 審議委員 高田創さん 「コインランドリー的なところで洗濯をなさったりとか、普通に買い物に行っては初めてクレジットカードを使いになられたりとか、普通の、まさに学生の生活をということだったと思うんですよね。そういう意味では非常に一番自由なお時間を、また色々お考えになることのお時間を、また日本を外から見る非常に貴重な機会であられたんじゃないかなと思いますね。まさに青春のひと時というか。それから40年経つわけですけれども、タイムスリップをしたというか、また自分の原点に近いようなものがそこにあるんじゃないかと思うんですよね」

 今回、陛下と皇后さまは2人の“思い出の地”へ初めて一緒に訪問されます。

高田創さん 「(2人での訪問が)今回、実現できるというのは非常にお二方とも楽しみにしておられるんじゃないかなというふうに思いますし、また過去のことを振り返りながら、今のご自身をという、そういう色んな意味でのお考えをお持ちであられるんじゃないかなと思いますね」

 陛下はご自身の著書で、留学について「いっそ、このまま時間が止まってくれたら」と記されています。

日本銀行 審議委員 高田創さん 「いずれにしても何ものにも代えがたいというか、そういう経験であったし、その時間というのは、まさに時間よ止まれというか。そこにまたもう一回戻ってみたいというか、多分そんなお気持ちもおありなんじゃないかなというふうに思いますね」