兵庫県知事の“パワハラ疑惑”をめぐって、知事を支えてきた副知事が涙ながらに辞意を表明しました。副知事はこれまで5回にわたって知事に辞職を促しましたが、受け入れられなかったといいます。これを受けて、斎藤知事が12日に取材に応じました。

■「悔しくて…」副知事“涙の辞意”

兵庫県 片山安孝副知事 「(齋藤知事が)『この3年間、大変お世話になった』と。私も大変申し訳ない。なんで知事を支えられなかったのか。悔しくて仕方ない」

県職員からのたたき上げで、副知事に抜てきしたのが官僚出身の齋藤知事でした。告発文を作り、亡くなった元局長を部下に持ったこともあります。その告発文を、齋藤知事は「嘘八百」と断罪しています。

兵庫県 齋藤元彦知事 「業務時間中なのに嘘八百含めて文書を作って流す行為は、公務員としては失格」

元局長は、県の公益通報窓口にも通報しましたが、通常の調査をされないまま、懲戒処分を受けました。副知事は告発文について…。

兵庫県 片山安孝副知事 「私は、最初は人事管理上の事案であると考えておりました。1人の職員が文書を出したと」

「大きな問題になる認識がなかった」といいます。

兵庫県 片山安孝副知事 「パワハラという確定的なことは聞いておりませんので、ということはパワハラはない。厳しい叱責はあったと聞いている。(知事の)コミュニケーション能力がやや不足ないし課題があった。このことが現在の混乱を招いている」

■「知事も辞職を」5回進言も…

片山副知事は、辞職を否定している齋藤知事にも5回にわたり進言してきたといいます。

兵庫県 齋藤元彦知事 「(Q.『一緒に辞職しないか』と(副知事から)5回ほど進言されたと。1回も迷うことはなかったか)そうですね。私の中では迷うことは基本なかったです。これから百条委員会、第三者委員会などを通じて、今回の文書問題に対する対応をしっかりとしていくということ。さらには県職員の皆様はじめ、多くの皆様との信頼関係を再構築していくということ。それによって県政を立て直していくことが私の大きな責任だと思っています」