共和党の全国大会でトランプ前大統領が大統領候補に正式に指名された。暗殺未遂事件から2日ということで、党大会の会場の周辺は完全に封鎖されるなど、最高レベルの警備体制となっている。

■トランプ氏 大統領候補に正式指名

 日本時間16日午前3時ごろに始まった共和党大会で、トランプ氏が大統領候補に正式指名された。

 トランプ氏は日本時間の15日午前8時ごろ、会場のあるウィスコンシン州に到着。タラップを降りる際には、ガッツポーズ。右耳には包帯のようなものが着けられているのが分かる。

 党大会初日は、全米各州を代表する代議員や関係者などで5万人以上が参加予定。

 暗殺未遂事件を受けて党大会の会場周辺一帯を完全に封鎖し、別の州の警察官も追加動員された。

 入場者に対しては、金属探知機での所持品検査。反共和党、反トランプ団体の抗議デモのなか、党大会は厳戒態勢で行われた。

ウィスコンシン州の代議員 「私たちはみんな、トランプ氏と共和党を支持しに集まりました。みんな、すごくワクワクしています」

 トランプ氏は、選挙戦を共に戦う副大統領候補を発表。39歳のJ・D・バンス上院議員を指名した。

 銃撃後、心境を問われたトランプ氏は、次のように話した。

トランプ前大統領(ニューヨーク・ポスト14日) 「私は、ここにいるはずではなかった。死んでいるはずだった」

 屋根の上でライフル銃を構える人物。通報を受けた警察官は、容疑者から銃を向けられ撤退せざるをえなかったという。

■20歳男の人物像は “いじめ”証言も

 容疑者として特定されたのは、トーマス・クルックス容疑者(20)。リハビリセンターで食事の補助員をしていたという。

 クルックス容疑者が住んでいたのは、銃撃事件の現場から1時間ほどの距離にあるペンシルベニア州べセルパーク。

近所の人 「顔写真を見てもピンとこなかった。一人で過ごしていたのだろう」

 近所付き合いがなかったとの証言も。

 高校の卒業式では、黒いガウンを羽織ったクルックス容疑者が壇上に上がり、笑顔で卒業証書を受け取っている。

 高校の同級生は、クルックス容疑者について次のように話した。

高校の同級生 「彼はランチの時、一人で座っていて、のけ者でした。彼は着る服のことでバカにされていたと思います」 「(Q.どんな服を着ていた?)ジーンズとか狩猟用の服を着てくることもありました」

 狩猟用の服を着てからかわれ、いじめられていたとの証言も。

 高校時代には、射撃部に入ろうとしたものの、射撃技術が足りなかったため、入部が許可されなかったという。

 一方で、ピッツバーグの射撃クラブの会員だったことが確認されている。

■使用した銃は? 自宅と車から爆発物の材料も

 FBIによると、クルックス容疑者が使用したのは、父親が合法的に購入した半自動小銃。

同型のライフルを置く販売店オーナー 「ARは軍隊仕様で、戦場でも携帯可能で大量の銃弾を発射できる銃として作られました」

 同型のライフルで、BB弾を使い試し撃ちしてもらうと、6秒間に30発ほど連射。

同型のライフルを置く販売店オーナー 「ARは優秀で、昔から人気があります。性能は折り紙つきで、カスタマイズできるし、撃って楽しい銃なのです」 「(Q.使いやすさは?)非常に使いやすく、すぐに使えるようになります。照準を合わせれば、反動も少なく簡単に撃てます」

 クルックス容疑者は、2カ月前に地元の2年生大学を卒業し、工学の準学士号を取得したばかりで裁判記録に残る犯罪歴もなかったという。

 自宅や車の中からは爆発物の材料も見つかっており、犯行の動機の解明が急がれている。

■妻と娘をかばい元消防士が犠牲に

参会者 「こっち、こっち、こっち来て。撃たれた」

別の人 「何があったんだ?」

参加者 「撃たれてる」

別の人 「撃たれた?」

参加者 「撃たれてる」

 写真の中で微笑む元消防士、コーリー・コンペラトーレさん(50)。熱烈な“トランプ支持者”だったが、トランプ氏に向けられた銃弾が当たり死亡した。

 銃声を聞き、とっさに妻と娘をかばったというコーリーさん。娘のアリソンさんが、その時の様子をSNSに投稿した。

娘 アリソンさん(AFP通信) 「本物のスーパーヒーローみたいだった。私とママを素早く地面に伏せさせ、銃弾から守ってくれました」

 銃撃によりコーリーさんが死亡し、2人が重傷となった。

 バイデン大統領は銃撃事件を受け、国民に向け暴力をやめて団結するように呼び掛けた。

アメリカ バイデン大統領 「すべての国民が団結し合うことは困難だが、私たちにとって最も重要な目標だ。我々なら達成できる」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年7月16日放送分より)