十字路交差点の優先車線や幹線道路に並行して走る狭い道路の走行、意外と知らない交通ルールを専門家と探ります。

 同じ道幅で信号機が無い十字路交差点で、全ての方向に一時停止の標識があります。一時停止した後すぐに左側から車が来た場合は。
 市民「相手が止まりそうな感じだったら、ちょっと前に出る。完全に停止したことを確認してから行きます。「先に来た方が行くようになっている」「(この場合は)先に行きます」「車の量が多い方が優先」

 「先着した車が優先」との回答が6割と多いようです。
 仙台市泉区上谷刈にある交差点を見てみると、ほぼ同じタイミングで一時停止ラインに到着した際、先着した車が先に交差点内に侵入するケースも多く見られます。
 実はこの場合は、一時停止の標識の有無に関わらず道路交通法では左方優先が定められています。(※左方優先が適用されるのは交通整理が行われていない交差点、交差道路それぞれの幅員が同じである場合)
 市民「自分が走っている道路が優先だと思いがちかもしれない」

交差点は左方優先

 意外と知らない交通ルールについて、元宮城県警の白バイ隊員として活動し現在は全国各地で交通事故の現場を鑑定調査している佐々木尋貴代表に解説してもらいます。

 一時停止の標識で止まっている車、右側の車線に合流する場合に出すのは右ウィンカーか左ウィンカーか。
 「右だと思っていた」「左じゃない?」「右ですかね。右に行くから」「前の車に合わせてやってましたね。前の車が右だったら右に出してました。前の車が左だったら?左」

 6割が右で2割が左、周りに合わせてウィンカーを出すという人も。こうした交差点を通る車は、ウィンカーをどちらに出しているのでしょうか。
 仙台市青葉区の仙台国際センター近くの交差点です。1時間定点観測してみると、右ウィンカーを出したのは118台、左ウィンカーを出したのは58台、ウィンカーを出さずに交差点に進入した車は39台でした。
 圧倒的に多かったのが右ウィンカーを出す車でしたが、このような交差点で正しいウィンカーの出し方とは?
 交通事故調査機構佐々木尋貴代表「本来は左に出さなければいけない。あくまでも変則交差点で丁字路交差点になっている。1つの道路から別な道路に乗り移る時には、交差点を右左折するという考えた方になるため角度こそ変わりますが、この交差点は形の変わった丁字路交差点ということになります。

形の変わった丁字路交差点

 仙台市の国道4号と並行するガードレールで仕切られた道路は、国道4号の本線より道幅の狭い道路ですが対向車が走っています。
 交通事故調査機構佐々木尋貴代表「一方通行に見えるが交互走行できる道路で、国道4号に対する副道です」
 副道は、対面通行が可能な道路です。
 市民「一方通行だと思っていました」「結構対向車が入ってくることありますよね」

 この場所に副道を設置した仙台河川国道事務所によりますと、交通量の多い道路から沿道の施設や住宅に入る際、渋滞などが起きないようにするための道路ということです。
 交通事故調査機構佐々木尋貴代表「(対向車が)来ることをあらかじめ想定して作られた道路。
あえて両方向走れるように作っている道路なので不安になると思うが、いわゆる逆走ではない」

幹線道路に並走する副道

 ですが、この副道を一方通行だと思い込んでしまう人がいると、むしろ危険な道になってしまうと佐々木さんは話します。
 交通事故調査機構佐々木尋貴代表「一方通行だと頭の中で見てしまうと、あの車は接近してくるはずがないと思い込んでしまう。その思い込みが非常に危ない。向こうから車が来ると警戒して走る必要がある」
 「車の運転はよく認知、判断、操作の繰り返しと言われていますけども、認知する段階の環境が違うとどうしても判断が遅れてしまうし、操作も遅れてしまうと交通事故は起こりやすい。これから出歩く機会が多くなる方々は、自分の走っている道路環境をよく知ってほしい」