■富士山9合目で“危険な野宿”

 真っ暗闇のなか、人々が横たわる異様な光景。実はここ、富士山の9合目。自らの命を脅かす危険な弾丸登山が後を絶ちません。

 アルミ製のシートを掛けて横になっている人もいれば、何も掛けないで寝ている人も。

 この場所にある山小屋の代表が当時の様子を明かしました。

万年雪山荘 渡辺和将代表 「100人以上、120人前後のグループで登山をしていた。下(富士宮口)から、こういう人たちが登ってくるって情報はあったんですよ。始めから泊まるような予定ではない。迷惑どころか当人たちにも危険が及びますので、どの程度その辺の危険性を理解されているのか」

 国籍は分からないものの、同じ国のグループだった可能性があるということ。登山客たちはなぜ、ここで休憩していたのでしょうか。

 映像を撮影した富士山のガイドは…。

富士宮口ガイド組合 水本俊輔代表 「ちょうどご来光の時間が午前4時半くらいになるので、そこで時間調整しているようだった」

 霊峰・富士。日本で一番高いところから望むご来光が目的だといいます。しかし、天気ががらりと変わるのが山の常。

富士宮口ガイド組合 水本俊輔代表 「(動画の)最後の方に雷が映ってる。野外で休憩とかとると落雷の危険性もある」

 今月、救助隊が登山者のもとに向かう時の様子では…。

救助隊 「進まない。皆で固まっていこう」

 屈強な救助隊の体が持っていかれそうになるほどの暴風が吹き荒れます。

 さらに、富士山頂の7月平年の最低気温は2.8℃。約10年、8合目で診察をしている医師は…。

山岳医療救助機構 大城和恵国際山岳医 「一番、怖いのは低体温症。標高差の大きい富士山は日中汗をかいて熱中症のようになり、上に行くと冷えて低体温症になる。内臓の温度が35℃を切ると脳がきちんと機能しなくなる。最悪は亡くなってしまう」