今から30年前、歴史的な米不足により巻き起こった「平成の米騒動」。その足音が令和にも近付いてきています。

■“コメ不足”で価格高騰 洋食店苦悩

 とろーりチーズを乗せたハンバーグに濃厚デミグラスソースを掛けて出来上がり。

大学生 「きのうも来ました」 「多い時は週3回くらい」

 東京・池袋で大学の隣にある洋食屋さんが出すのは、腹ペコ学生も満足させるボリューミーな定食です。

大学生 「値段も安く学校からも近いので空き時間に来やすいですし、体育会でもおなかいっぱいになるくらい」

 1回、2回、3回、4回…。132円追加で、お米は倍の量に。

セントポールの隣り 榎本武店長 「学生に喜んでもらえればということでやっていますね」

 ただ、このサービスが店主の頭を悩ませる種に…。

セントポールの隣り 榎本武店長 「4月に(米の価格が)1割くらい上がって、先月もまたもうちょっと経ったら値上げさせていただけませんか?とお米屋さんから。今(学生は)夏休みに入ったんですよ。この間に考えてやっていこうかなと」

 去年に作られたコメの価格は、すべての銘柄の平均で60キロあたり1万5307円。おととしよりも1400円余り高くなっています。

■“令和のコメ騒動”?現場に異変

 記憶に蘇るのは…「平成の米騒動」です。

 今から30年前に深刻な冷害などで大凶作となり、お米は並ばなければ買えない事態になりました。令和のスーパーはどうなっているのか…。訪ねてみると、現場には異変が起きていました。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「こちらがお米コーナーになっていますね」 「(Q.普段はどのくらいまである?)高さ的にはこの上段ギリギリのところまで。普段はこちらもお米コーナーなんですけど、雑貨を置かせてもらっている」

 在庫が減り、売り場が半減。さらには…。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「価格に関しては最近では前例ないくらいの上がり方。3割から4割くらいは(仕入れ値が)上がっていますね」

 そもそも、今なぜこんな事態になっているのかというと…。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「去年の夏、非常に暑かった。猛暑の関係で出来が悪かった。最近ではインバウンドの需要でお米が非常によく使われている。(インバウンド需要に)回ってしまっているというのもある」

 こうした状況では特に懸念されることもあります。

スーパーさんよう 阿部芳邦取締役 「こういったニュースが流れると買いだめに走る方がいますが、(米を買いだめすると)猛暑で食味も落ちるし虫もたかりやすくなるので、使い切る量をご購入いただければと思います」

 農林水産省は「逼迫(ひっぱく)はしていない状況」だと説明しています。