ロシアの侵攻から2年半になるなか、避難生活を強いられているウクライナ人らが都内で大規模なイベントを開きました。今の想いを取材しました。

 先月開かれた「ウクライナフェスティバル」。企画した1人は、ウクライナ人のイリーナ・ヤボルスカさん(53)です。

 ロシアの軍事侵攻が始まってすぐに、母親とともに娘夫婦がいる滋賀県に避難してきました。

 日本に来るまでの道のりは壮絶なものでした。

ウクライナから避難 イリーナさん 「(人に)踏みつぶされそうでした。恐ろしかった。悪夢です」

 駅は避難を急ぐ人であふれ、平穏な暮らしは一変しました。現在は、民間のアパートを契約して暮らしています。

ウクライナから避難 イリーナさん 「ハルキウも好きですが、今は彦根が2番目の故郷になりました」

 来日からわずか3カ月後には、キッチンカーでクレープに似たウクライナの家庭料理「ムレンツィ」の販売を始めました。

 そして、去年5月には念願のウクライナ料理店をオープン。開店資金の一部はクラウドファンディングで募りました。

 大きな原動力になっているのは、ウクライナに今も残る夫・ローマンさんの存在です。イリーナさんはいずれ、一緒にレストランを運営したいと考えています。

 日本では今もなお、2000人を超える人々が避難生活を余儀なくされています。そんな現状をより多くの人に知ってもらい支援につなげようと、イリーナさんたちが新たに企画したのが「ウクライナフェスティバル」でした。

ウクライナから避難 イリーナさん 「フェスティバルが開催できることをとてもうれしく思います。ずっと待っていました」

 会場には炎天下のなか、およそ5万人が訪れました。イベントの売り上げはすべてウクライナの支援に充てるということです。

来場者 「一刻も早く静かな生活ができるように、復興のお手伝いだったら私たちにも色々できると思うので」

ウクライナから避難 イリーナさん 「今の一番の夢は戦争が終わることです。ウクライナの国民が再び平和で幸せな生活を送れるよう願っています」

 初めてのイベントで大成功を収めたイリーナさん。挑戦の日々は続きます。