お盆休みの列島が混乱です。関東に接近する台風としては過去“最強クラス”の台風7号。この影響で空港や駅、さらにバスターミナルでは、予定を1日繰り上げて次の目的地に向かおうとする人で混雑しています。

■接近する台風 八丈島のスーパーは

 14日、小笠原諸島に最接近した台風7号。夜には最大瞬間風速32メートルを超える非常に強い風が吹きました。

 現在は伊豆諸島の八丈島に近付いています。

 15日午後に暴風警報が発表された八丈島。気も揺れ始めています。午前中には空に不思議な形の雲が。上空で一定の強い風が吹いている時に現れる「つるし雲」です。

 警戒感は高まっています。

八丈島の住民 「毎回ではなくて、今回ちょっと強いかなと。でかい台風が来た時はこの形で」

 嵐の前のスーパーでは乳製品が入荷がされておらず、牛乳やヨーグルトが並ぶ棚はガラっとしています。売り場には次々とカップ麺をかごに入れる住民も…。

八丈島の住民 「あした来なくていいように、今のうちに。早く買わないと夕方になったらなくなるかもしれないから」

 自宅にはお盆休みに帰省した孫と5人の友達が。店をはしごし、食材を買い集めていました。

八丈島の住民 「3日分くらいのものを。何せ人数が多いから」

■“最強クラス”台風 あす関東へ

 非常に強い勢力で16日、関東に接近する見込みの台風7号は、関東に近付く台風としては過去最強クラス。気象庁も緊急会見です。

気象庁 大気海洋部 予報課 立原秀一主任予報官 「伊豆諸島や関東地方、東北地方においては猛烈な風が吹くところがあり、また海は猛烈なしけとなる見込みです。暴風、高波、大雨による土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に厳重に警戒して下さい」

■新幹線が計画運休へ 混雑も

 16日午後にも首都圏に接近する台風。お盆休みの交通機関は大きく乱れます。

 東海道新幹線は16日、東京-名古屋間で終日、運転を取りやめます。

 15日、新横浜から名古屋に来た女性。台風接近は寝耳に水でした。

新横浜から来た人 「台風なんですか?」 「(Q.本当はあした帰る?)そうですね」 「(Q.(あすは)東京-名古屋間は台風で新幹線が計画運休)え?本当?ええええ…どうしよっかな。ネットカフェ?えっ?ビジネスホテル今から取った方がいいですかね?えっ?すごい心配してくれる、その顔」

 各地、新幹線の窓口はチケットを取り直す人で大混雑。

新大阪に向かう人 「影響が出るだろうなと思っていたので、早めに動こうと思って急いで」

■高速バス 運休相次ぐ「もう一泊」

 新幹線のチケットが取れなかった人が駆け込んでいたのがバスターミナルです。

 ただ、高速バスも台風の影響で運休の便が多く出ているため、窓口には15日の便に予約を変更する人が多くいます。

埼玉→長野 あさって帰る人 「『運休』ってメールが届いた。きょう来た、予定変更」 「(Q.メール来た時はどうだった?)びっくりした。もう1泊して、あさって帰る」

■Uターン前倒し?高速も渋滞

 Uターンを早めた人も多いのでしょうか、高速道路は中央道や東名で渋滞が起きています。

 ネクスコ東日本によりますと、16日午前6時以降、東京湾アクアライン川崎浮島ジャンクションから袖ケ浦インターチェンジなどで通行止めとなる可能性が高いということです。

■空港に長い列「繰り上げて帰る」

 影響は空の便にも。去年の羽田空港のロビーと今年を比べてみると、人の数にそれほど差はありませんが、いつもと違っていたのはカウンターで変更手続きをする人の長い列です。

 16日、羽田を発着する便は全日空で280便、日本航空は281便の欠航が決まっています。

 北海道の紋別空港に15日帰る女性は…。

羽田→紋別 きょう帰る人 「本当はあした帰る予定だったけど、台風の影響で繰り上げて帰る」

 「駆け込みのUターン」を後押したのは航空会社からのメールでした。

羽田→紋別 きょう帰る人 「残り少なかった。6席くらいしかなくて、メールが来たタイミングで『決断するなら今だよ』と」

■「延泊で20万円」船便で帰れず

 14日夕方から夜にかけて台風が最接近した小笠原諸島の父島。一夜明けて青空は戻りましたが、観光客は肩を落としていました。

 観光で訪れていた家族は帰りたくても帰れずにいました。    家族5人で父島観光に来た人 「4日延泊することになる。家族で20万円くらい追加で宿泊費がかかる。財布も痛い」

 本来なら14日の船便で東京に帰る予定でしたが、台風で運航は中止に。東京へ行く船便は週にわずか2本。次に乗れるのは18日で、帰宅できるのは19日です。

家族5人で父島観光に来た人 「自分が報告しないといけない会議があった。ここまで来たら楽しむしかない」

■土嚢で備え「5年前に浸水」

 過去の経験を生かした備えも進んでいます。東京・足立区で住民に配られたのは土嚢(どのう)です。

50代の人 「床下浸水したことがあった。強い台風が来た時」

 今回と同じレベルの勢力で関東に近付く台風は5年ぶりです。2019年、関東に上陸した台風15号は千葉県を中心に大きな被害をもたらし、東京・足立区では道路が冠水や住宅の浸水が起こりました。

 自転車のかごいっぱいに土嚢を積んで帰る女性。早速、自宅の玄関前に。

50代の人 「水が入ってくるか分からないので備えておく」

 物干し竿が風で飛ばされないようにロープで固定します。

50代の人 「5年くらい前に大きい台風ありましたよね。その時に屋根が壊れたりして、できることは備えようと」