21日も記録更新です。34日連続で猛暑日となった街から住民の姿が消えていました。

■最長! 34日連続“猛暑日”太宰府

 “日本一の猛暑が続く街”である福岡県太宰府市。

地元の人(80代) 「暑くてたまらんですね。80歳を過ぎているから、たまらん」    最高気温は21日全国で2番目となる38.3℃で、命に関わる危険な暑さです。

 猛暑日となるのは7月19日から21日まで、実に34日連続。気象庁の観測史上最長の記録を更新しています。

 ひと月以上も猛暑日が続く異常事態。住宅街の駅前は人の姿がほとんどありません。

 地域に根差したブティックからは嘆きの声が…。

プロスパリティ五条店 黒岩美穂子店員 「本当に実感としてはお客さんが家から出てこないのが悩み。この時期が一番売れるシーズンだが、今は本当に厳しい。この店は夏と冬2回しかバーゲンをしない。それで大事な月だが、なかなか厳しい」

■日陰に移設 天満宮の熱中症対策

 街一番の観光名所になっている太宰府天満宮。「学問の神様」である菅原道真公が祭られています。

 8月は42万人以上の参拝客が訪れるだけに、暑さ対策が取られています。

 猛烈な暑さのなか、少しでも涼しい気分になろうと夏限定の「水みくじ」が人気です。水につけることで運勢が浮き出てきます。

茨城から来た人 「本当だ、すごい。大吉でうれしい。気温が高いので、水流を見るだけで涼しくなる」

 本殿の改修工事に合わせて先月、ご朱印所を木で日差しが遮られる場所に移しました。

東京から来た人 「日陰になっているのでだいぶ楽な場所」

太宰府天満宮権禰宜 高山博子さん 「以前はもう少し手前の方にあったが、待ち時間が暑くないよう、こちらの木陰の方。なるべく日をよけながら待ってほしいとこちらに移した。緩まることがない暑さ」

 実はこの夏、各地で暑さが和らぐことなく、猛暑日の連続日数が長くなっています。

 これまでの記録は2020年の24日が最長でしたが、今年は太宰府市の34日を筆頭に、各地で続々と記録を更新しています。

■「焼けナシ」例年の倍以上に

 終わりの見えない猛暑。旬の食材にも異変が起きています。

白半梨園 鈴木秀幸さん 「商品として販売できない」

 みずみずしいナシが真っ黒に。廃棄が相次ぐ緊急事態です。

 千葉県の農家はナシの高温障害で大きな打撃が…。

白半梨園 鈴木秀幸さん 「こんなふうにナシ自体が焼けてしまう。日の光で皮面が。商品としては販売できない」

 日焼けしたナシは出荷できずに廃棄しています。

白半梨園 鈴木秀幸さん 「(日焼けは)例年よりも倍以上、多いイメージ。暑さと日の光でどんどん果実の熟成が進んでいくので」

 ただ、被害を免れたナシは甘く育ったといいます。

直売所にナシを買いに来た人 「甘味があっておいしい」

■「熱冷ましの雨」激減が要因に

 この夏は、なぜ猛暑日が途切れることなく続いているのでしょうか。

 梅雨明けしてから、ずっと高気圧に覆われていた日本列島。特に九州地方などで猛暑日が途切れない要因は「熱冷ましの雨」にありました。

 関東では先日、台風が近付いた時に日差しが遮られ、30℃に届きませんでした。

 ただ、九州から東海ではこの1カ月、「熱冷ましの雨」が平年よりも極端に少ない地域が多かったことで猛暑日が続いたとみられます。