小売店でお米の品薄が続くなか、一体、お米はどこにあるのでしょうか。取材しました。

■トラックに米250袋 品薄なのにナゼ

 22日朝、茨城県のスーパーが仕入れたのは茨城産「あきたこまち」の新米です。

 1袋5キロ入った米が250袋。棚いっぱいに並びました。

近隣住民 「4日ぐらい前に買ったばかり。なくなるというから。新米あるんだ」 「ホッとする」 「何が何でもきょうは買っていく」

 各地で米の品薄が取り沙汰されるなか、どうやって仕入れたのでしょうか。

「カスミ」商品本部 新藤剛士さん 「常に品薄状態が続くなかで毎日、バイヤーが農家・問屋に連絡して商品をなんとか早く供給していただけないか、連絡し続けた結果だと思う」

 スーパー側の努力で新米を集めることができたといいます。ただ、米の品薄もあって値段は例年の1.5倍するそうです。

■“おかわり1杯無料”米品薄で不安

 ほっかほかのご飯に、明太子をのせたランチが人気の都内の飲食店。

 店のもう1つの名物が1人1杯までご飯が無料でおかわりできること。多くの客がおかわりするそうですが、気がかりなのは米の在庫です。

福太郎東京本店 スタッフ 「ストックの状態はここが全部いっぱいになっていたけど、今(買い出しに)行けていない状態で」 「(Q.今ある米の量でどれくらいもつ?)2週間ちょっとくらい。もうこれだけでは安心できる量ではないので」

 普段と米の品種を変えるなどして、何とか対応しているといいます。

 農水省が発表している米の在庫量を見ると、去年の197万トンから今年は156万トンに減っています。

 店はおかわりのサービスを続けたい方針ですが、不安は募ります。

福太郎東京本店 スタッフ 「このまま続くとなると不安は大きいですし、新米が出る情報もあるので、いつになるのかなとはっきり分かった方がもっと不安は解消される」

■「1食は麺類に」食生活に変化も

 この米不足に対して、街の皆さんはどんな対策をしているのでしょうか。

70代 「(友人が)7軒ぐらい回って、ないんで、人に頼んだとか言ってましたね。お米がないと困っちゃうんだよね。ご飯とみそ汁がないと落ち着かないという感じですね」

 値段も気になります。

70代 「(前は)だいたい2000円(5キロ)ちょっとでお米が買えたんですよ。うっかりすると3000円近い。私は朝昼晩とお米食べてるんだけど、最近(値段が)上がったんで、夜だけお米やめてるんです。前は1カ月に5キロぐらいずつ買ってたのが、1カ月半から2カ月持つかな…」

 食生活に変化も。

60代 「(米の値段が)2000円超えてくるとね、パスタにしようかなとか」 「(Q.どれくらいの頻度?)10日に1回ぐらい」

60代 「3食のうち1食は麺類に切り替えられても、あとは駄目だね。お米屋さん回るでしょうね」 「私は時々、玄米も食べるんで、なければないで玄米食べればいいかなと思ってたんだけど、やっぱり白米が食べたくなる」

■猛暑で品質悪化 訪日客の需要増

 そもそも、なぜ米が品薄になったのでしょうか。

 一つは去年、猛暑や渇水の影響で品質が悪化したこと。

経済部 農水省担当 横山純子記者 「もう一つは訪日外国人の増加によって外食などでの米の需要が増えた」

 さらに、品薄に拍車を掛ける出来事も。

サンエース商品本部長 宮下裕基さん 「南海トラフ地震臨時注意情報後は前年比1.5倍以上の販売数となり、お米の売り場がカラカラになったことがあった」

 南海トラフ巨大地震の注意情報が出たことなどで、米を購入・備蓄する人が増えたとみられます。

 22日朝、新米を入荷したスーパーによると。

「カスミ」商品本部 新藤剛士さん 「(Q.米はあるんですか?)あると思います。茨城に関しては(新米が)少し早めに出ましたけど、この後、潤沢に出てくると思います」