台風10号が週明けにも列島に上陸する恐れがあります。実はこの進路、過去には甚大な被害をもたらしていました。

■再びゲリラ雷雨 雷鳴響く

 雨で人影もない動物園。奥へ進むと、ずぶ濡れのシマウマがいました。

 雨を耐えるかのように動かないシマウマ。雨がやんだ後に見に行くと、避難していたそうです。

 甲府市内の交差点。大粒の雨がたたきつけています。道路も冠水し、大きく水しぶきを上げています。

 連日、都心を襲うゲリラ雷雨。22日は午前中でした。信号待ちを必死で耐える人も。

 大気の状態が不安定となった22日。午前中、雨雲が関東の西で湧き始めました。

 一時、大雨警報が出された神奈川県川崎市。ここでも雷鳴が響きます。

 雨は徐々に東へ。目黒区・新宿区・渋谷区では一時、大雨警報が発表されました。ハチ公前もさすがに閑散としています。

 午後になり、雨は千葉でも。

 この後も天気の急変に警戒が必要です。

■強い勢力のまま上陸か

 そんななか、22日午前3時にマリアナ諸島のグアム付近で発生したのが台風10号です。     先週、関東各地などで大雨をもたらした台風7号など、台風の発生は今月に入ってすでに6個で、8月の平年値の5.7個を超えました。

今村涼子気象予報士 「今回の台風10号、強い勢力のまま接近、もしくは上陸の恐れが出てきています」

 台風10号は今後、暴風域を伴って発達しながら北上する見込みです。

 27日ごろに発達がピーク。強い勢力で四国など西日本や東日本を直撃する恐れがあります。

■台風10号 なぜ“危険な進路”

 実はこのコース、過去には甚大な被害も。13年前の2011年、台風10号と同じような進路で甚大な被害を出した台風がありました。広い範囲で記録的な大雨をもたらし、50人以上の死者を出した台風12号です。

 今回の10号と同じマリアナ諸島で発生した台風12号は、10号の予想進路と同じように列島に向かって海上をほぼ“直進”し、四国に上陸しました。

 ではなぜ、この進路・コースが勢力を強めるのでしょうか。

今村涼子気象予報士 「今回の台風10号のように南から直線的に北上してくる台風というのは、発達しながら陸地に近付いてくるんですね。海から直接どっと掛かってきますので、急激に荒れた天気になることが考えられます」

 また、台風の発達には海水温も影響するといいます。

今村涼子気象予報士 「今回は先週の台風7号よりも西寄りのコースを通ります。ですので海がかき混ぜられずに温かいままのエリアを通過してくるんですね。西日本の南海上では今、30℃以上とかなり海水温が高いです。その温かい海で十二分にエネルギーを補給してですね、台風が発達のピークを迎えた状態で接近、そして上陸してくることが考えられます」

 強い勢力のまま接近、上陸した場合、広範囲での大雨などの影響が考えられます。

今村涼子気象予報士 「災害危険度が一気に高まりますし、また交通機関も大きく乱れるかと思います。今回も早めの対応・対策などを考えて備えておいて下さい」