福島第一原発の処理水海洋放出開始から1年。日本産海産物の輸入を禁止している中国では、輸入再開のめどが立っていません。しかし、市民の態度には変化も現れています。

中国外務省 毛寧報道官 「日本は周辺国と十分な協議のない状況で、一方的に海洋放出を始め、全世界にリスクを転嫁している」

 23日、中国外務省は処理水放出に関する批判を改めて表明したうえで、「日本とは意思疎通を保っている」と述べました。

 日本と中国は6月に「建設的な態度で協議を加速する」ことで一致しましたが、中国側は独自の観測メカニズムの設立などを求め、日本産海産物の輸入再開の見通しは立っていません。

 北京の日本大使館への迷惑電話は今も一日2万件ほどあります。

日本料理店「東也」店主 谷岡一幸さん 「中国人のお客さまでも今年に入ってからは処理水の話をされる方はほとんどいらっしゃらなくなりました」

 「日本の魚」を売りにしていた高級日本料理店は、スペイン産のマグロや、中国・大連産のウニなどの代替品で営業しています。

 1年前に比べ、処理水を気にする人は減ったということです。

 21日に開店した「スシロー」の北京1号店では10時間待ちとなる行列ができました。

北京市民 「(Q.((海鮮について)周囲の反応は?)気にしない人も全く食べない人もいる」 「政治的要因でしょう」

 日本政府は引き続き安全性をアピールし、日本産海産物の輸入再開を求める考えです。