埼玉県の大野元裕知事は、来月行われる関東大震災直後に現在のさいたま市で殺害された朝鮮人の青年を追悼する式典に、追悼文を送ることを検討していると明らかにしました。

 大野知事は27日の定例記者会見で、来月4日にさいたま市で予定されている関東大震災直後に自警団に殺害された朝鮮人の青年を追悼する式典に追悼文を送ることを検討していると発表しました。

 政府の会議に提出された専門家の報告によりますと、1923年の関東大震災では地震後に「朝鮮人が放火した」などのデマが原因で多くの朝鮮人らが殺されたとされています。

 大野知事は「デマ情報に基づいて朝鮮人の虐殺があったことは痛心に堪えない」として、追悼のメッセージにふさわしいものを検討するとしました。

 大野知事宛てに追悼文を要望した式典の実行委員会の小川満事務局長は「県が受け止めてくれたのは大きいこと」とコメントしました。

 県は今後、埼玉県内で行われる他の追悼式に関しても、要望があった場合には対応を検討するということです。