■“暑さの町”に米品薄の救世主 

 復活した猛暑。その暑さがきっかけで生まれた“奇跡の米”。

埼玉県農業技術研究センター 水稲育種担当 大岡直人担当部長 「そんな自然環境で育種を進めてきたので、(米は)熊谷市ならでは」

 米品薄の“救世主”となるのでしょうか…。そのルーツは、あの“暑さの町”にありました。

 米が品薄と言われるなか、埼玉県熊谷市では稲刈りが始まりました。ただ、気になるのは暑さです。ここ数日の秋の気配から一転、列島では猛暑日が各地で復活。熊谷でも4日ぶりの猛暑日に。

 ただ、この米、その暑さがあったからこそ生まれた“奇跡の米”でした。

大岡直人担当部長 「平成19年(2007年)埼玉県は非常に暑かった年があって、その年に品質が良かった1株が残った。それが後の『彩のきずな』」

 2007年、40℃を超えるなど、暑さで高温障害が相次いだ熊谷の米。その暑さでも全く影響のなかった“奇跡の一株”を発見。交配を続け、この米「彩のきずな」が生まれました。

 なぜ暑さに強かったのか、その秘密は“吸水力”にあります。サーモカメラで見ると、地面から水分を吸った「彩のきずな」は、温度が低いことが分かります。

 猛暑でも吸った水分を蒸発させ、温度を下げるのです。

大岡直人担当部長 「人が運動すると汗をかいて体温下げるのと同じような作用。食べると粘りと甘味があっておいしい。(去年度)非常に暑いなか、最高ランクの特Aを受賞したこともある。味は非常に良いものになっています」

 米が品薄といわれる今、暑さに強い“奇跡の米”が救世主となるのでしょうか。

大岡直人担当部長 「ここのところ夜温も下がっているので、極端に高い気温でなければ、良い登熟(成熟)条件」

 気になるのは台風です。本格シーズンを迎え、列島には2つの台風が。さらに南の海上には台風の卵もあり、日本にも影響を及ぼす恐れがあります。

■猛暑日迫る都内 秋祭りに異変

 噴き出る汗。炎天下で過酷な作業が続きます。

 東京・世田谷区にある神社。7日から始まる秋まつりに向け、準備が進んでいました。神輿(みこし)は約300キロになります。

 ぶり返した残暑。都心も久々の暑さが戻りました。

 毎年、約3万人が訪れる室町時代から続く祭りだけに、暑さ対策にも万全を期します。水分補給はもちろん、クーラー付きの救護所を設置。今年から看護師も常駐させます。

 さらなる新アイテムがこちらです。今年から水を入れるとミストが出る送風機を設置。

北澤八幡秋まつり実行委員会 三宅英治さん 「本部テントに詰める人も西日が強いので、もっと快適な環境をとの声があったので今年は送風機を」

 コロナ禍から6年ぶりに本格開催となる祭りを迎えます。

 一方、残暑とともに台風シーズンを迎えた列島。台風11号と12号がありますが、日本列島に大きな影響はなさそうです。

 ただ、南の海上には熱帯低気圧もあり、沖縄周辺は不安定な天気をもたらす恐れがあります。