残暑が続くなかですが、いつもより早く紅葉を迎えた場所が。なぜ、今年は色付きが早いのでしょうか。

■残暑なのに…早くも紅葉見ごろ?

 厳しい残暑が続いています。名古屋では34℃まで気温が上昇しました。

 全国的に平年より気温が高く、全国の1割にあたる90地点で35℃以上の猛暑日となりました。

街の人 「(Q.暑さが続き“秋がくるのか?”という感じも…?)秋、こないんじゃないですか?」

 大丈夫です。秋はしっかりと訪れ始めています。すでに紅葉し始めている場所がありました。

 北海道上川郡にある大雪山旭岳。ロープウェイの頂上、標高1600メートルから見渡す景色には青々とした木々のなかに鮮やかな黄色や赤が混じり、だんだんと確実に紅葉が進んでいることが分かります。

奈良から来た観光客 「思った以上に素晴らしいです。感動しています」

旭川から来た観光客 「ゴンドラからも(紅葉を)見たし、歩きながら振り返って見てきれいで」

 実はここ、「日本で一番早い紅葉スポット」として知られる場所。今年は去年、おととしと比べても色付きがさらに10日ほど早くなっているそうです。

旭岳ビジターセンター ソン・ドンホンさん 「昨年度は昼間の気温が高くて9月に入っても暑かったが、(今年は)旭岳周辺は8月になっても暑い気温は少なくて、9月に入って涼しい気温が続いている。順調に色付きが始まっている」

 去年9月22日に取材した際はほとんど紅葉は見られません。

 それが今年は…。

 施設が日々撮影している写真でもその違いは鮮明です。去年のこの時期、青々としていた木々はしっかりと黄色く、紅葉が始まっています。別の地点でも…。

■残暑なのに…なぜ?紅葉色づく

 北海道の紅葉の名所を管理する橋本大吾さんは紅葉が色付くのには、ある条件が必要だと指摘します。

“紅葉名所”福原山荘 橋本大吾管理人 「最低気温が8℃。8℃が紅葉が始まるスイッチ」

 大雪山旭岳のロープウェイ施設では、毎日その日の気温を記録。今年は早朝の気温が比較的低く、8℃を記録したのは今月の7日です。

 一方、去年は早朝の気温が高く、気温8℃を下回らず9月半ばまで過ぎていることが分かります。

橋本大吾管理人 「(最低気温)8℃になると、葉の緑の色素が分解される。十分な日照時間によって赤い色素が合成される」

 これからさらに見頃を迎えると、黄色い葉が真っ赤に染まり、よりコントラストがくっきりとした景色が楽しめます。

橋本大吾管理人 「スイッチが入って2週間後に見頃になることが多い。寒暖差の大きい日が多ければ多いほど(紅葉が)早まる」