「紀州のドン・ファン」と呼ばれた資産家が殺害された事件で、元妻(28)側は裁判で「覚醒剤を飲ませることなどできなかった」などと無罪を主張する方針であることが分かりました。

 起訴状などによりますと、元妻の須藤早貴被告(28)は2018年、夫だった野崎幸助さん(当時77)に、和歌山県田辺市の自宅で致死量の覚醒剤を摂取させ殺害した罪に問われています。

 検察側は裁判で28人の証人尋問を行う予定で、事件当日の夕食では須藤被告と野崎さんが2人きりだったことや、スマートフォンの解析結果などをもとに、被告以外に殺害できた人物はいないと立証するとみられています。

 一方、関係者への取材で、弁護側は「覚醒剤を入手して飲ませることなどできなかった」などと犯人性を争う見通しであることが分かりました。

 12日から始まる裁判員裁判は最大25回の審理があり、12月に判決が言い渡される予定です。