ドイツは、不法移民やテロリストの入国を防ぐため、16日から陸上の国境すべてで身分証の確認を行うなど警備を強化します。

 ドイツは16日から半年間、フランスやオランダなど新たに5カ国との陸上の国境で、身分証を確認するなど警備の強化を始めました。

 対象は原則、車などによる陸路の入国者で、電車や飛行機での入国については定めていません。

 ドイツは去年までにオーストリアやポーランドなど、4カ国との国境で同様の措置を取っていて、今回の5カ国も合わせて陸で接する9カ国とのすべての国境で警備が強化されることになります。

 ドイツを含めていずれの国も、ヨーロッパ内の移動を自由にするための「シェンゲン協定」の加盟国で、本来は国境での検査は原則、必要ありません。

 先月、ドイツ西部で3人が殺害されたテロ事件では、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出し、実行犯とされるシリア出身の男(26)は、亡命申請を却下された後も国内にとどまっていました。

 ドイツでは「反移民」を掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が州議会選挙で躍進するなど、移民問題への対応を求める声が高まっています。

 ドイツ内務省によりますと、去年10月以降、およそ3万人の不法移民の入国を阻止したということです。