かつてクジラ漁で栄えた、宮城県石巻市鮎川地区のシンボルとして展示されている捕鯨船。この捕鯨船が歴史的価値のある船舶を認定する「ふね遺産」に選ばれました。

 日本船舶海洋工学会が、ふね遺産に認定したのは、捕鯨船「第十六利丸」です。

 全長約68メートル、760トン。昭和33年(1958年)に竣工し約30年間活躍しました。

 第十六利丸の活躍を記録した貴重な映像が残されています。

 実際にクジラを仕留めるキャッチャーボートとして、戦後最盛期の捕鯨船団を支えた第十六利丸。

 約30年間にわたり南極海を中心に操業を続けました。

 こうしたキャッチャーボートは現在、国内で2隻しか残っておらず、乗船できるのは第十六利丸だけです。

 今回、歴史的・学術的・技術的に価値が高いと評価されました。

 鮎川まちづくり協会齋藤富嗣代表理事「日本で唯一乗船できる大型高速捕鯨船はここだけ。まだ知らない方々がいると思います。ふね遺産の登録によって、1度乗船してみたい、乗ってみたいというお客さんが多く来てくれることを期待してます。」

 鮎川地区は震災で被害を受け第十六利丸も展示できずにいましたが、3年前に復旧工事が終わり、現在は見学できるようになっています。