10月も下旬に差し掛かり、インフルエンザが流行する時期となりました。専門家は、流行のスタートは遅いもののコロナ禍以前の水準に戻ると予測していて、警戒を呼び掛けています。
東北医科薬科大学藤村茂教授「例年に比べるとちょっと立ち上がりは遅いと思います。11月中旬以降、下旬ぐらいから前年に比べて1カ月遅れくらいで流行がスタートするのではないかと予測されています」
東北医科薬科大学の藤村茂教授は、秋に気温の高い日が続いていることからインフルエンザは11月中旬から流行が始まり、1月から2月にかけてピークを迎えると予測しています。
感染者数は前年よりも増加して、コロナ禍以前の水準に戻ると指摘しています。海外との往来が回復してきていることや、マスク着用の意識が薄れてきていることから警戒が必要と話します。
東北医科薬科大学藤村茂教授「前年の感染者数でピークで定点辺りが40人ちょっと、40人から50人ぐらいのところだったと思うけど、コロナ禍以前だとピークは70人を超えてくるので定点辺りが。恐らくそこのレベルまでは戻るのではないかと思いますね」
10月からインフルエンザの予防接種が始まっています。中でも注目は、新たに接種が始まった子ども向けのワクチン、フルミストです。対象は2歳から18歳です。
注射ではなく鼻に直接吹きつけるスプレータイプのワクチンで、血液中だけではなくインフルエンザの感染経路である鼻やのどの粘膜にも抗体を作ることができます。
従来のワクチンと同程度の予防効果が期待されていて、宮城県でも接種が始まっています。
このワクチンをいち早く導入した、仙台市若林区にある七郷クリニックです。
七郷クリニック阿部基院長「特にお子さんは注射をすると泣いたり注射をすごく嫌がるお子さんもいますけど、注射じゃないので痛くないよと。5歳と7歳のお子さんが受けたが、全く泣かずに入ったかどうかも分からないくらいにニコニコして帰っていきました」
一方、新しいワクチンは供給量が少なく数に限りがあるため、こちらのクリニックでは予約が必要ということです。
七郷クリニック阿部基院長「かかりつけの小児科や内科で問い合わせをしていただいて、点鼻薬の在庫があるかということで希望があれば予約をしていただくという流れになるかと思います」
東北医科薬科大学の藤村茂教授は、ワクチンの接種時期について、インフルエンザの流行が始まる前の10月末までに終えてほしいと呼び掛けています。