大谷翔平選手や山本由伸投手が所属するドジャースは3月に東京ドームでカブスとの開幕戦を迎えます。このようなプラチナチケットを含め、インターネットを通じた売買では様々なトラブルが起きているといいます。

 こちらの男性は去年、日本のプロ野球チケットを購入する際にトラブルに巻き込まれました。

橋本謙太郎さん 「悔しいし、本当に野球ファンに対して何しとんねん」

 橋本さんが大ファンだという広島東洋カープは去年、シーズン終盤に首位争いをしていました。そこで、優勝の瞬間に立ち会うため9月のチケットを探していたところ、あるオークションサイトが目にとまりました。

橋本謙太郎さん 「他のサイトでは全然見つからなくて、なぜこんなに安いんだろうと思いながら買いました」

 取引が成立し、8月下旬にチケット専用サイトを経由して料金5500円を振り込んだものの…。

取引相手 「発送に時間がかかり申し訳ありません。発送用に準備していたクリアファイルがなくなり探しております。見つけ次第、発送いたしますので今しばらくお待ち下さい」

 何の音沙汰もないまま試合の日が迫り、痺れを切らした橋本さん。サイトのヘルプデスクを通じて、取引の期限を相手に連絡してもらいました。すると、期限ギリギリに発送通知があり、封筒が届きます。しかし…中は空っぽでした。

橋本謙太郎さん 「運営(サイト側)としては、それは当事者間の問題なので、私たちはタッチできません。向こう(取引相手)としては間違いなく送ってるし、追跡番号もあります。あなたの家に届いてます。だから送ってますの一点張り」

 本来、この封筒には差出人の電話番号が書かれているはずなのですが、空欄になっています。唯一の手掛かりである住所も途中で終わっていました。その住所を元に我々が調べてみると、近くには駐車場が。念のため、管理会社に話を聞くも「差出人の名前に聞き覚えは無い」ということでした。

 橋本さんは「そもそもチケットはなく、封筒だけ送ったのではないか」と話しています。

 プロ野球に限らず、イベントのチケットを巡っては正規の価格をはるかに上回る金額での転売が問題になっていて、2019年に「チケット不正転売禁止法」が施行されました。これを受けて事案の数は減っているものの、東京都消費生活総合センターにはいまだにトラブルの相談が寄せられているということです。

東京都消費生活総合センター担当者 「最近では主にSNSのDMのやり取り等でそのチケットがあるということを知らされて、購入をするという手続きを取ったのに、チケットが送られてこない。高額なチケット代を払ったのに連絡が取れなくなったというようなパターン」

 こちらは冒頭にお伝えした橋本さんのような個人間取引によるトラブルで、消費生活センターでは企業と個人の間のトラブル相談は受け付けるものの、個人同士となると介入できないそうです。

 続いては、海外サイトでのトラブルです。日本語で書かれていることもあり、見抜くのが難しいものもあるようです。

東京都消費生活総合センター担当者 「海外のチケットサイトになりますと、国内の法律が適用されない。転売防止の法律が効かないことになります。そのサイトを国内のサイトだと勘違いして申し込む人がいる」

 さらに担当者は「オークションサイトに出ていても、トラブルについてサイト自体が責任を取ることはほとんどなく、個人間取引というからには、売る側と買う側の責任の中でというのを十分ご理解いただいたうえで対応していただきたい」と注意を呼び掛けています。

 3月には東京ドームでメジャーリーグ開幕戦「カブス対ドジャース」が行われます。

 チケットの一般販売は2月16日から始まりますが、すでにあるチケットサイトでは150万円という高値でも買い手がついていて、なかには200万円で出品されているものもあります。

 自分が欲しいチケットがサイトで売りに出されていてもすぐに飛びつくことなく、落ち着いて慎重に見極めることが重要です。