米の価格高騰が続く中、江藤農林水産大臣は14日、政府が保有する備蓄米21万トンを市場に放出すると正式に発表しました。店頭には、3月下旬から並ぶ可能性があります。
江藤農水大臣「販売数量は21万トンとします。これはいわゆる流通が滞っているこの状況を、何としても改善したいという強い決意の数字だと受けとめていただきたい」
江藤農水大臣は14日の会見でこのように話し、政府の保有する備蓄米21万トンを市場に放出すると発表しました。
備蓄米の放出は最初に15万トンを予定していて、流通の状況をみて21万トンから更に拡大することも検討するとしています。
入札に参加できるのは大手の集荷業者で、落札者には販売した数量などの報告が義務付けられます。
3月初旬から入札の手続きを始め、3月半ばから順次引き渡し店頭に並ぶのは3月下旬から4月上旬になるということです。
政府による備蓄米の市場放出は高騰する米価格を抑える狙いがありますが、米の販売店は効果を疑問視しています。
仙台市太白区にある米の販売店、米工房いわいです。店には宮城県産を中心に9種類の米が並んでいます。米の仕入れ価格高騰に頭を悩ませています。
米工房いわい岩井一剛社長「どんどんどんどん値上がり値上がりで、一定の価格が全然なくて毎月のように値段が上がっている状態で。3割、4割、5割、下手したら2倍も出てくる」
2024年に猛暑などの影響で2023年産の米が品薄になり値上がりした令和の米騒動では、2024年産の新米が流通し始めてからも価格は下がりませんでした。
総務省によりますと2023年12月、仙台市で5キロ当たり2000円台だった米は、2024年12月には3500円台に値上がりしました。1年間で約1.7倍になった計算です。
こうした状況を受けて政府が備蓄米の放出を表明しました。従来は放出を災害時などに限定してきましたが、方針を転換しました。
市場流通量を増やして米の価格を抑える狙いですが、岩井社長は備蓄米が落札された後、本当に市場に出回り価格を下げる効果があるのか疑問視しています。
米工房いわい岩井一剛社長「全然期待はしていない状態です。それで結局、価格が変わるかというと全然変わらないですし。入札などで振り分けられて本来ある場所にお米が無いとなると、全然意味がないのかな」