予算案の修正を巡り、自民、公明、維新の3党は社会保険料の引き下げなどを盛り込んだ合意文書案について大筋で合意しました。一方、「年収の壁」を巡る議論は与野党で隔たりがあり、合意のめどは立っていません。

■社会保険料軽減へ 3党の協議体を設置

自民党 小野寺五典政調会長 「とてもいい内容について仕上げていくことができたと思っております」

 固い握手を交わした自民・公明の与党と維新。

国民民主党 榛葉賀津也幹事長 「全国に住んでいる国民の皆さんの苦しい気持ちが分かってないんじゃないでしょうか」

 一方、議論が平行線をたどっているのは、与党と国民民主。年度内の予算案成立へ向け、与野党の攻防が続いています。

 日本維新の会が求めているのは「高校授業料の無償化」と「社会保険料の引き下げ」。国民民主党が求めているのは「年収の壁引き上げ」と「ガソリンの暫定税率の廃止」です。

 高校授業料の無償化の実現に向けて大筋で合意している自民・公明の与党と維新。21日も断続的に協議が行われました。そして…。

小野寺政調会長 「自公と維新の会3党の政調会談について私どもとして議論は終結した」

日本維新の会 青柳仁士政調会長 「しっかりと議論の結果を持ち帰って党内で判断を仰いでいきたいと思っております」

 3党は高校授業料の無償化や社会保険料の引き下げなどを盛り込んだ合意文書案について大筋で合意しました。

 合意文書案で、私立高校については、来年4月から所得制限を付けずに「45万7000円に引き上げる」と明記。

 社会保険料の負担軽減については、維新が掲げる医療費の総額を年間4兆円削減するという目標を踏まえ、3党の協議体を設置することが盛り込まれました。

 さらに新年度の予算案について「所要の修正を行ったうえで年度内の早期に成立させる」という文言が盛り込まれ、維新が賛成に回ることで年度内に成立する公算となります。

 この成果を報告するため、官邸を訪れた小野寺政調会長。石破総理からは…。

小野寺政調会長 「総理から『よくまとめていただきました』というねぎらいがありました」

 都内でテレビ出演をしていた維新の会・吉村洋文代表は…。

吉村代表 「これは自民党からしてもここまでやるかという内容もあると思います。自民党からも明確に期限と実現すると明記することについて、最初そういう文案ではありませんでしたが、変えたうえで判断するということになりました。中身は大きく前進していると思います」

■103万円の壁…国民民主“年収制限”に難色

 一方、難航しているのが「年収103万円の壁」の見直しです。

 所得税の非課税枠を引き上げる対象を850万円まで引き上げる案が報じられるなか、国民民主党の榛葉幹事長は…。

榛葉幹事長 「見てないから。見てないものを評価できない。正式に向こうから、提示があってから考えたいと思います。東スポに『ツチノコ発見』と出るけど、見た試しないんだから。だから見てから。どういう数字か」

 この会見から3時間半後に行われた与党と国民民主の協議。公明党から自民党案では年収500万円だった上限を、850万円まで拡大し、年収を4段階に分けて基礎控除の上積み額を変える案が提示されました。

公明党 赤羽一嘉税調会長 「上乗せ分でも約8割の層がカバーできるのではないか」

 これに対し、国民民主は…。

国民民主党 古川元久税調会長 「税というのは基本原則『公平・中立・簡素』。区分をまた細かく分けたことによって、より複雑・簡素でなくなった」

 来週前半に、3党で協議する方針ですが、国民民主は一律で引き上げることを求めていて合意できるかは不透明です。

(「グッド!モーニング」2025年2月22日放送分より)