宮城県白石市が発注した公共工事をめぐり、官製談合防止法違反などの疑いで逮捕された市の職員は工事の設計金額を算出していて、事前に予定価格を把握できた可能性があることが分かりました。

 中津川夏帆記者「19日午後7時過ぎです。白石市役所に宮城県警の捜査員らが続々と入っていきます」

 逮捕されたのは白石市上下水道事業所工務係の係長、平間大地容疑者(36)です。

 警察によりますと平間容疑者は2023年9月、白石市が発注した配水施設の防水工事の入札をめぐり予定価格や他の業者名を事前に教えたとして官製談合防止法違反などの疑いが持たれています。

 白石市の草刈工務店代表、草刈俊彦容疑者(63)も平間容疑者から予定価格を入手し公正な入札を妨害したとして逮捕されました。

 平塚学記者「白石市によりますと、今回の入札は配水施設の防水工事でした」

 指名競争入札には5社が参加し、草刈工務店が予定価格より58万円ほど低い343万4500円で落札したということです。

 警察は捜査に支障があるとして、2人の認否を明らかにしていません。

 山田裕一白石市長「心から深くおわび申し上げます」

 白石市の山田裕一市長は、20日午前に緊急の会見を開き陳謝しました。
 白石市によりますと、平間容疑者は2013年に市の職員に採用され、事件3年前の2020年から工事の設計などを担当する工務係で勤務していました。
 白石市上下水道事業所高橋尚子所長「予定価格に関しては金額に応じて私か市長が発注しているので、私か市長しか知り得ない。予定価格を入札前に見ることはできる状態ではないかと」

 予定価格は市長や上下水道事業所長が作成した後、事業所の金庫に保管されていて金庫から持ち出された形跡は残されていないということです。

 平間容疑者は予定価格の基となる設計金額の算出を担当していて、捜査関係者によりますと「市長が決定する予定価格の算出方法も把握していた可能性がある」ということです。

 警察は、2人がこれまでの入札で関係を深めたとみて捜査を進めています。