6割を超える病院が赤字経営であることが明らかになりました。福祉国家日本の医療は崩壊寸前なのでしょうか。

日本医師会 松本吉郎会長 「本当に異常事態だと思います」

 先週、日本医師会と6つの病院団体が「異常事態」を訴えました。

日本医師会 松本吉郎会長 「急激な物価高騰と人件費上昇への対応には到底追いついておりません。全国の皆様方に、著しく逼迫(ひっぱく)した医療機関の経営状況を改めて切実に訴えたいと考えております」

 明かしたのは医療機関の“経営難”。実は私たちの日々の生活だけでなく、今の物価高の影響は、病院にも…。

 「医薬品費」の高騰に加え、ガーゼ・包帯などの「診療材料費」、病院食の「外部委託費」「人件費」「光熱費」などなど、ありとあらゆるコストが上昇し、経営を圧迫しているそうなんです。

 この日発表された調査結果によると、およそ1700の病院のうち去年6月から11月までで経常利益が「赤字」になったのは、なんと6割以上…。

 おととしと比べ、10.4ポイントも増加しているんです。

 そこで今回、国に対し、物価や賃金の上昇に適切に対応した診療報酬の仕組み作りを求めたのでした。

日本医師法人協会 太田圭洋副会長 「このままでは全国で本当にある日突然、地域に必要な病院がなくなることが起こります」

 ただ先月、来年度予算案を巡り、自民党、公明党、日本維新の会の協議で、現役世代の社会保険料の負担軽減のため維新が主張した「国民医療費の4兆円削減」を「念頭におく」と明記し、3党合意したばかり…。

 この状況で、診療報酬を上げることはあり得るのでしょうか。