世界中に不安と混乱を与えている相互関税。国民向けの経済対策と日米交渉に、石破政権はどう対応していくのでしょうか。(4月12日OA「サタデーステーション」)

高島彩キャスター 「生活への影響も懸念される中、与野党からは国民負担の軽減策を求める声が高まっています」

板倉朋希アナウンサー 「野党からは消費減税を求める声も上がっていますが、林官房長官は「新たな給付金や減税といった補正予算・経済対策については検討している事実はありませんが、適切な対応を取ってまいります」と話しています」

高島彩キャスター 「『適切な対応』ということですが、今後どうなっていくんですか?」

板倉朋希アナウンサー 「政治ジャーナリストの田崎史郎さんによると、林官房長官が言う『”適切な対応をとる”というのがポイント』だそうで、『自民党と公明党は“現金給付1人5万円”で調整を進めていて、まとまり次第政府に提案するのではないか』ということでした。金額については、まだ固まっておらず、減税を求める声もあり、野党からは選挙前のバラマキだという批判もある中で、これをどう進めていくのかということについて、田崎さんは『野党が求める政策、例えば国民民主党が主張する”ガソリンの暫定税率の廃止に見合う料金の引き下げ“であったり維新の会の“社会保障費の負担軽減”などを交渉材料に、現金給付に賛成してもらう可能性もある』とみています」

高島彩キャスター 「丁寧な措置も必要ですし、長期的な税制改革みたいなことも議論していかなければいけないと思いますが、日米の関税に関しては、16日に赤沢経済再生担当大臣が訪米して交渉に臨みます。柳澤さん、この交渉内容も気がかりですよね?」

ジャーナリスト柳澤秀夫氏 「特にトランプ大統領がこのところ『アメリカは日本を守らなければいけないが、日本はアメリカを守る義務がない。日米安全保障条約が不平等だ』ということを再三言ってるんですね。それからコルビー国防次官も『日本は防衛費をGDP比で3%まで増やすべきだ』とこういうこと言っていて、それを考えるとアメリカは関税を取引材料にして防衛費の増額を求めてくることは十分考えられるんですが、日本側もそれはすでに織り込み済みで、アメリカからの防衛装備品の調達を増やしたり、在日アメリカ軍の駐留経費負担を日本が肩代わりしている分を増やしていく、ということなどで落としどころを探ろうとしているんです。ただそうは言ってもアメリカがどう出てくるかは予断は許しませんね」

高島彩キャスター 「日本が大きく、どしっと構えて胆力を持って交渉してくれればいいと思うんですが、いかんせんカードがないという…」

ジャーナリスト柳澤秀夫氏 「日本側に、これぞ!という有効なカードがないというのが一番苦しいところですよね」