女川原発での重大事故を想定した、国の原子力総合防災訓練が始まりました。

 関係機関の情報収集や、屋内退避の手順などを確認しました。

 訓練は宮城県沖で発生した震度6強の地震によって、女川原発2号機が緊急停止した想定で始まりました。

 国や県など約2270人が参加して10日から3日間の日程で行われますが、コロナ対策のため住民の参加は見送られました。

 初日の10日は、地震の発生を受け県庁に災害対策本部が設置され、関係機関が集まり情報収集を行いました。

 また、女川原発から約10キロ離れた牡鹿半島の先端に立つ特別養護老人ホーム「おしか清心苑」では、建物内にとどまる「屋内退避」の手順を確認しました。

 こちらの施設では原発事故が発生した場合、利用者とスタッフが1週間、締め切った空間で生活することを目指していて、避難ができなかった地域住民も合わせて食料や毛布など150人分の備蓄を揃えています。

 おしか清心苑鈴木静江施設長「1週間もとどまれるではなくて、1週間しかとどまれない。外に出られない状態で1週間、入居の方に生活していただくというところは、ご入居の方の精神的なフォローをやっていかなければいけないというのが(今後の課題として)一番大きいかと思います」

 11日以降は、離島の住民を船やヘリコプターで避難させる想定の訓練や、コロナの症状がある人の専用車両を用意し感染対策の検証などが行われます。