下水の中に含まれる新型コロナウイルスの量を調べ、仙台市の向こう1週間の感染者数を予測している東北大学の佐野教授が、28日に最新のデータを公表しました。
今週予想される感染者数は、ほぼ横ばいで推移し、佐野教授は感染者数が急激に減少するまでにはまだ時間がかかるとの見解を示しました。
東北大学大学院工学研究科の佐野大輔教授のグループは、毎週仙台市内の下水処理場から下水を採取して検出された新型コロナウイルスの量から、次の1週間に発生する感染者数を予測しています。
1月から今週までの実験結果をまとめたグラフです。赤い線で示したものが研究による予測値で、青い線で示したものが実際に確認された感染者数です。
先週は、3079人の予測値に対して実際に確認された感染者数は2639人でした。 仙台市の1週間の感染者数としては、前の週と比べ17パーセント下がりました。
仙台市内の今週の感染者数は、先週の実測値を8人上回る2647人と予測されていて、ほぼ横ばいで推移するとみられています。 東北大学大学院工学研究科佐野大輔教授「先々週はその前の週と比べると下水中の濃度が減っていたので、(感染者数は)減ってくるかなというのはあったんですよね。感染者数、これだけ少し減ってきているところ、(先週の)下水の濃度はそうでもない。減り方はそうでもないというところで先週(の実測値)と同じレベル」
佐野教授は、下水に含まれるウイルス量が高い水準にあることから、仙台の感染者数は急激に減少する段階ではないとの見解を示しています。
東北大学大学院工学研究科佐野大輔教授「感染者の数としては、減って来る流れかもわからないんですけど、下水を見ている限り、そんなにすごく急激に減っている状況ではないので、検査の対象となっていない方で感染している方というのが、一定数いる状況が今後も続くのではないかと予測しています」