津波火災の様子を伝える震災遺構、宮城県石巻市の門脇小学校が4月から一般公開されます。
これに先駆けて、27日に地元住民と報道機関を対象にした内覧会が開かれました。
2011年3月11日、門脇小学校は、東日本大震災の津波で1階が浸水し、流されてきた車や住宅から引火して津波火災が起きました。
大災害の教訓を未来に伝えようと、石巻市では鉄筋コンクリート3階建ての本校舎の中央部を中心に震災遺構として整備を進めています。
津波と火災の爪痕が残る海側の校舎には、現場を保存するため外側に見学者用の通路が設けられました。
川原千夏子記者「こちら校舎3階にあります4年生の教室です。ご覧のように机や椅子の木の部分だけが焼け落ちています。津波火災の当時の様子をそのままに残しています」
内覧会に参加した約30人の地元住民は、机や椅子、ランドセルや図鑑などが当時のまま残された教室の様子に引き込まれていました。
内覧会の参加者「こんなにひどかったのかなって改めて思い出します。何年経っても忘れられないものですね」「もっと早くね、公開できればよかったのかなと思って。いまだにこうやって見てほんとにね、ちょっとじっとしているとね涙が出てきますね」
震災当時、門脇小学校では学校にいた児童224人は日頃の訓練が功を奏し、裏手の日和山に全員が避難しました。
被災を免れた別棟の校舎には、当時の避難行動の記録や、震災前の門脇地区の様子が展示されているほか、住民の証言を記録した動画も放映されています。
水沢秀晃・震災伝承推進室長「津波火災が発生した学校として全国でも唯一の、津波火災の状況を残す建物、震災遺構。未来の命を守っていくと、そういった場所になっていきたい」
石巻市の震災遺構は、大川小学校に続き2カ所目です。
門脇小学校は2021年の春に完成予定でしたが、想定外の埋設物が見つかり工期が延びていました。4月3日から一般に公開されます。