東日本大震災から11年を迎え、宮城県内の被災地では朝早くから犠牲者へ祈りを捧げる人たちの姿がありました。

 仙台市若林区荒浜では、朝日が照らす海を見つめ、手を合わせる人たちがいました。震災で家族を亡くした男性は「元気にしているし、見守っていてください、ということでしょうね。これからもやっぱり見守っていてほしいなというのはあります」と話していました。

 宮城県石巻市の高台「日和山」では、友人を亡くした男性が、姿を変えた町を見つめながら、「忘れて良いことと、忘れてはいけないこと、この地で被災したものとしてどちらも大事にしていかなければいけないと思う」と語りました。

 津波で壊滅的な被害を受けた名取市閖上の慰霊碑では、妻と娘を亡くした男性が祈りを捧げていました。男性は「朝、行ってきますと言ってそのままなので、ただいまも言えていなくて。気持ちは変わらないですね、11年前と同じです」と話していました。

 気仙沼市波路上の慰霊碑がある高台は、震災当時、市の指定避難場所になっていましたが、津波が押し寄せました。母と妻を亡くした地元の男性は「まだこの地区だけでも17名の方が家族のもとに帰っていない。それを思うと区切りというのは言葉では言えるが、そういうことはなかなかできないと」と話していました。

 東日本大震災で宮城県内では関連死も含めて1万568人が亡くなり、今も1215人の行方が分かっていません。