震災後に移転した町役場が、浸水想定に含まれた宮城県女川町からは、今後の町づくりを不安視する声が聞かれました。
女川町は震災の津波で町役場が被災したため、元の場所から200メートルほど陸側で海抜20メートルの高台に新庁舎を建設しました。
今回の想定で、女川町では高さ20.7mの津波が想定され、浸水域の面積は震災の2.1倍に拡大しています。
移転した新庁舎も浸水エリアに含まれました。
女川町企画課桜井政徳課長補佐「本町の今ある庁舎の1階部分に差し掛かる程度の津波が来ると、宮城県が示している」
新庁舎の周辺は最大5メートルの浸水が想定されていますが、非常用電源を屋上に設置したり、住民の情報を管理する部署を2階以上に設けたりしているため、防災機能は保たれるとしています。
そのため、現時点で新庁舎の再移転は検討していないということです。
一方で、女川町は防潮堤を造らず高台への移転による町づくりを進めてきましたが、浸水域の拡大によって防災計画の見直しが必要となります。
女川町企画課桜井政徳課長補佐「見直しの公表となると(これまでの町づくりが)崩れてくる部分あるので困惑しているのが率直な気持ち。住民には今回の公表について冷静に受け止めていただきたい」