高級車を狙った、新たな手口による盗難の被害が確認されています。被害にあった人は、ハンドルロックなど物理的に車を動かなくする以外に対策は無いと話し注意を呼び掛けています。
2021年7月、中古車販売店で撮影された防犯カメラの映像です。
午前0時過ぎ、フードを被りマスクをした1人の男が訪れ、展示されている車を後ろから眺めています。
その後、ワンボックスカーの左前方に近づき何かをした後、敷地を囲っているチェーンが付いたポールを下げました。
そして、男は再び車の左前方へ行くと、運転席のメーター類が点灯し起動、サイドミラーも開きました。
その後、助手席のドアを開け車に乗りこむとそのまま走り去りました。
ここまでにかかった時間は、わずか13分です。
盗まれたのはトヨタの高級車アルファードで、価格は820万円です。警察に被害届を提出しましたが戻ってきていません。
被害にあったのは、千葉県木更津市の中古車販売店、SOL AUTOMOTIVEで店長に話を聞くことができました。
SOL AUTOMOTIVE下條嘉久店長「手口としては、今話題になっているCANインベーダーという新しい盗難の手法みたいですね」
CANインベーダーとは。
SOL AUTOMOTIVE下條嘉久店長「車の助手席側の外側のバンパーを開けると、CANという車の信号などを送るセンサーがあるが、そこに何らかの端末をつなげて(ロック)解除する」
車の配線に専用の端末を直接接続し、システムに侵入してロックを解除する手口で、被害にあった車のセキュリティは反応しなかったということです。
SOL AUTOMOTIVE下條嘉久店長「警察の方から聞いたのは、何件か同じような手口で関東周辺で起きていると聞きました。トヨタ車の高級車と言われるアルファードや、レクサスですね」
千葉県警では、車の盗難事件が相次いでいるとしてGPS装置の設置やハンドルやタイヤを物理的に動かなくするよう呼び掛けています。
SOL AUTOMOTIVE下條嘉久店長「物理的に視覚的に盗むのが面倒臭いと思わせるような対策が必要。盗難にあった後は、物理的なハンドルロックやタイヤロックをしている」
「名古屋ではやり始めて千葉、埼玉、関東近郊になってちょっとずつ上ってきている感じがするので、その感じていくと東北に上っていくのかというところですかね」
宮城県警によると、県内ではこの手口による車の盗難被害はまだありません。
しかし、埼玉県でもトヨタのランドクルーザーが3日間で9台盗まれたという被害もあります。
埼玉県警の担当者は、東北地方でも被害が出る可能性があるので、対策をしてほしいと話していました。